目次
アパート・マンションには⽊造(W 造)、鉄⾻造(S 造)、鉄筋コンクリー ト造(RC 造)、鉄⾻・鉄筋コンクリート造(SRC 造)といった様々な構造があります。
それぞれメリットとデメリットがありますが、賃貸経営においてどれが優れているのかと一概に言えるものではありません。
構造ごとに向いている賃貸物件は以下になります。
- ⽊造:低層アパート、⼾建賃貸
- 軽量鉄⾻造:低層アパート
- 重量鉄⾻造:中⾼層マンション
- RC 造:中⾼層マンション
- SRC 造:7〜8階建て以上のマンション
各構造の特徴を表にまとめる。
木造 | 軽量鉄骨造 重量鉄骨造 |
RC造 SRC造 |
|
建築費 | 低 | 中 | 高 |
坪単価 | 40万円〜60万円 | 50万円〜80万円 | 70万円〜100万円 |
間取りの自由度 | 高 | 中 | 低 |
耐火・耐震・耐久性 | 弱 | 中 | 強 |
断熱性 | 高 | 低〜中 | 高 |
遮音性 | 弱 | 中 | 強 |
住宅法定耐用年数 | 22年 | 軽量:27年 重量:34年 |
47年 |
年間経費計上金額 | 高 | 中 | 低 |
この記事では、あなたの土地に賃貸物件を建てるにあたり、最も適した建築構造を選べるよう、それぞれについて詳しく説明いたします。
1.⽊造は費用対効果の優等生
木造は費用対効果が最もよい建築構造だ。坪単価は約40万円〜60万円と、他の構造と比較すると低コストに抑えることができます。
安く建てられるとはいえモノが悪いというわけではなく、家賃設定も他の構造より大きく劣るわけではないので、利益率がいいです。
しかし、耐火性・耐震性・耐久性・遮音性の面では他の構造に劣り、そのイメージから木造を避けたがる入居者もいます。
(1)所得税が節税できる
あまり知られていませんが、⽊造は他の構造と比較すると、所得税の節税効果が最も高いです。
その理由は、1年あたりに経費計上できる⾦額が⾼いためになります。
例えば建築費6000万円の物件の場合、重量鉄⾻造だと経費計上できるのは毎年180万円なのですが、⽊造だと276万円もの金額を計上することができます。
これは木造の減価償却期間が短いことによります。
つまり、同じ家賃収⼊であっても経費計上できる金額が大きいために⾒かけ上の利益が少なくなり、所得税が節税できるということです。
特に新築当初は賃料収入が最も高いので、なおさら大きな節税効果を生むことになります。
(2)間取りの自由度が高い
木造は間取りの自由度が高いのも魅力のひとつです。
狭小地や傾斜地でも地形に合わせて建設することができます。
同じ木造でも主に以下の2種類の工法があります。
木造の自由度の高さをより活かせるのは木造軸組工法です。
- 木造軸組工法(在来工法)
柱や梁を軸に家を支える工法。2×4工法よりも間取りの自由度が高いため、狭小地や傾斜地での建築に向く。 - 2×4(ツーバイフォー)工法
壁と床を軸に家を支える工法。組壁工法とも呼ばれる。木造軸組工法よりもコストが抑えられ、耐震性にも優れるが、間取りの自由度は劣る。
(3)断熱性・吸湿性に優れている
木材は鉄に比べて熱を通しにくいため、断熱性が高いと言われています。
外気の温度の影響を受けにくいので、夏や冬も過ごしやすいです。
また、吸湿性にも優れ、住み心地が良い。
湿度の高い日本で木造建築が普及したのもうなずけます。
(4)⽕事・地震・騒⾳に弱いのがデメリット
やはり⽊なので、耐火性・耐震性は鉄筋コンクリートに劣ります。
ただし、耐火性については鉄骨造よりは強いです。
鉄骨は熱で曲がってしまうが、木は最終的には燃えるが、しばらくは炭状になって火に耐えることができる。
遮⾳性も他の構造に劣り、隣人の声やTVの音が聞こえる場合があります。
またシロアリ対策も必要です。
しかし、こういった弱点はハウスメーカーや建築会社は熟知しているので、対策となるプランを持っていることがほとんどです。
2.耐久性抜群の鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリートはコンクリートと鉄筋が一体となった構造であり、耐久性が最も強いです。
コンクリートは圧縮に強くて引っ張りに弱く、鉄筋はその逆なので、弱点を補い合うことにより屈強な強度を実現しています。
鉄筋コンクリート造(RC)のほかに、鉄⾻鉄筋コンクリート造(SRC)というものもあります。SRCは柱や梁を鉄骨で組み上げ、その周りに鉄筋を配置しコンクリートを流し込みます。
極めて強度が高く、高層マンションなどに用いられます。
また、重量鉄骨造と同様に大きな空間をつくることにも向いているが、重さがあるため重量鉄骨造のほうがより広いホールが作れます。
(1)火やサビに強い
鉄筋コンクリートは燃えない素材であるコンクリートが鉄筋を覆っているため、抜群の耐火性を誇ります。
また、コンクリートはアルカリ性の性質を持っているので、酸によって鉄が腐食しサビが出るのを防ぎます。
(2)耐震性も抜群
鉄筋コンクリート造は地震などの揺れにも強いです。
RC造の基本構造は、鉄筋コンクリートのパネルによる6面体のモノコック構造です。
これは外からの力を建物の面全体に分散するため、高い耐震強度を得留守電ことができます。
耐久性・耐震性の高さから、大規模なマンションによく利用されています。
(3)遮音性も高い
防音・遮音の性能はその材料の密度(重さ)に左右されます。
コンクリートは重く、遮音性能が高いです。
音は振動によって伝わりますが、コンクリートのように重い材料は音の振動が来ても、密度が高いためにあまり揺れず、振動がほとんど伝わらいないといわれています。
屋外が騒音のときも、屋内は深夜の住宅街と同じくらい静かになります。
(4)断熱性も高い
コンクリートによる構造躯体には隙間がなく、気密性が高いです。
これにより温度変化しづらく、夏は暑く冬は寒くなりがちで、本来は冷暖房の効果が出るまで時間がかかります。
だが、断熱材を併用して外部の気温と遮断することによって、一度冷暖房が効いてしまえばその温度が長時間維持されます。
冷暖房の効率がよく、省エネになるでしょう。
(5)様々なデザインが可能
あらかじめ型枠を作ってパーツを用意してしまえば、どんな形でも造ることができます。
そのため、建築家のアイディアを活かした他にはないデザインの物件を建てることが可能になります。
(6)建築コストは高い
ここまではいいことづくめだが、もちろんデメリットもあります。
強度が高いぶん、坪単価が70万円〜100万円と、建築コストは⽊造や鉄⾻造と⽐べて最も⾼いです。
※建築費については、時期について値段が上がっていったり、下がったり致します。詳細については、建築会社等にも確認しましょう。
しかし、丈夫なため耐⽤年数が⻑く修繕費も少なくて済み、⻑い⽬で⾒ると必ずしも費⽤⾯で⾒劣りするとは限りません。
(7)結露が起こりやすい
気密性が高いため、適切な換気システムを設置しないと結露が発生しやすくなります。
しかし、この点は24時間換気システムを導入することで解決できるので、それほど心配する必要はありません。
(8)建物が重く、地盤の強い土地にしか建てられない
鉄筋コンクリート造は鉄筋とコンクリートを使用したしっかりとした構造であるからこそ、重量も他の構造よりも大きく、支える地盤が強くなければ建設することが出来まえん。
地盤改良によって強度を増せば建築可能になることもあるが、そのための工事費用が別途かかります。
もともとRC造は建築費が高いので、さらに上乗せになると利回りに影響が出てしうでしょう。
利回りについての記事:利回りの意味と計算方法はアパート・マンション経営の必須知識
3.鉄⾻造は⽊造と鉄筋コンクリート造の中間
鉄⾻造は、柱や梁が鉄板を曲げてつくった鋼材でできた建物です。
建築コストや間取りの ⾃由度、耐⽕・耐震性など、⽊造と鉄筋コンクリートの中間にあたります。
鋼材の厚さが 6mm 未満のものを軽量鉄⾻造、6mm 以上のものを重量鉄⾻造といいます。
(1)軽量鉄骨造は低コスト、短工期、安定品質
軽量鉄骨造は多くの場合、あらかじめ主な部材を工場で生産し、それを現場で組み立てて設置する工法で造られます。
現場では組み立て作業が中心になるので、工期が短く、仕上がりが職人の腕に左右されるようなこともありません。
また、坪単価は50万円〜80万円であり、木造ほどでないにしろ、コストも高くありません。
※建築費については、時期について値段が上がっていったり、下がったり致します。詳細については、建築会社等にも確認しましょう。
一方である程度パッケージ化されるので、間取りの自由度は高くないと言えます。
また、鉄は熱に弱いため耐火性はそれほど高くなく、熱せられると曲がってしまうおそれがあります。
耐久性もそれほど高くはなく、部屋に重い荷物をたくさん置くことができない場合があります。
(2)重量鉄骨造は間取りの自由度が高く頑丈だが重くて高い
重量鉄⾻造のほうが厚い鋼材を使うぶん柱1本あたりの強度が⾼いため、柱の数が少なくて済み、間取りの⾃由度が上がります。
大きな空間を作るのに最適だ。耐震性も高いので、3階建て以上の建物に向いているといえるでしょう。
だがそのぶん鉄⾻の重量が⼤きいので、硬い地盤が必要で、 基礎⼯事のコストも若⼲⾼くなります。
また、鋼材が分厚いため熱伝導率がとても高く、気温の影響が室内に伝わりやすいです。
まとめ
それぞれの構造の特徴やメリット・デメリットを説明した。狭小地だから木造にしたり、高さのあるマンションを建てるから重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造にしたりと、土地の状況によってある程度決まってくる面もあります。
逆にあなたの希望によって選べる場合もあるでしょう。
企業によって得意な構造は異なるし、同じ構造であってもそれぞれ特徴があり、建築費もデザインも異なってきます。
そのため、必ず複数社の提案を聞いたほうがいいと思います。
業者比較は当サイトを使うと便利です。
最後に、活用方法の検討にはぜひ当社の活用無料診断をご利用ください。
通話料無料のなんでもお悩み相談所も設けております。
土地の活用なんでもお悩み相談所
通話料無料・全国対応: 0120-990-141
相談員の中には、土地活用プランナー、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級、実際に土地を有効活用した経験者など相談員が多数在籍しております。
聞いてみるだけ、興味本位でも構いません。
どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。