高齢者向け住宅

高齢者向けの賃貸住宅で差別化?サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは

高齢者向け住宅

現代日本は、2025年には前期高齢者(65~74歳)と後期高齢者(75歳以上)の人口割合が全体の30%を超えると考えられています。まだ数年先と考えることもできますが、現段階でも問題は明確に挙がっているのです。その1つに介護施設などの、病気や障害をかかえる高齢者が安全に暮らせる場が少ないといった問題があります。

そんな施設飽和状態を少しでも解消させるために注目されているのが「サ高住(あービス付き高齢者向け住宅)」の存在です。いったい「サ高住」とは、どのような場所なのでしょうか。今回は「サ高住」に関する情報を余すことなくご紹介します。

サ高住の概要と特徴

バリアフリー

「サ高住」とは「サービス付き高齢者向け住宅」の略称です。

2011年10月に「地域包括ケアシステム」の拡充の施策として、「高齢者住まい法」の改正とともに誕生しました。

この「サ高住」の目的は“高齢者にとって「安心できる」と思えて、かつ「ここで暮らしていける」と感じてもらえるようなサービスを提供すること”であり、具体的には「バリアフリー完備」「安否確認サービス」「生活相談サービス」が付与されています。もちろん、介護が必要な高齢者には、訪問介護やデイサービスといった介護専門サービスも提供するよう構築されているのです。

後述しますが、「サ高住」は現在高齢者に該当する人はもちろん、2025年に高齢者となる人にとっても大きなメリットをもたらす場所となると考えられえています。

「サ高住協会」「一般社団法人高齢者住宅協会」が発足されている

サ高住の特徴として第一に挙げられるのは、「サ高住協会」や「一般社団法人高齢者住宅協会」が発足されていることです。

以下は、各協会の主旨や活動内容をまとめたものになります。まずはどのような事業を行なっており、どのようにサ高住を支えているのかを知っておきましょう。[注1][注2]

協会名 主旨・活動内容
サ高住協会(サービス付き高齢者住宅協会) サービス付き高齢者向け住宅利用者の権利を守るとともに、
サービス付き高齢者向け住宅事業及び 付随サービスの品質を高め、
高齢者のよりよい生活に寄与すること
一般社団法人高齢者住宅協会 高齢者の住生活や高齢者住宅の住空間のあり方、福祉等との連携強化及びサービス付き高齢者向け住宅運営事業者のサービス品質向上及び居住者保護による事業の発展・普及について、関係する事業者等が調査研究、情報交換、提言の発信等を行うことにより、国民の住生活の安定の向上と地域社会の健全な発展に寄与すること

どちらも超高齢化社会・少子高齢化に関する問題に先駆けて設立された協会であり、それぞれが「高齢者の安全への配慮」や「高齢者が安心して暮らせる場所の提供」を主な目的としています。

住宅は「一般型」と「介護型」の2種類に分かれている

基本的にサ高住は「一般型住宅」と「介護型住宅」の2種類に分かれています。それぞれに対象や特徴があり、以下のように区分けされているのです。

一般型住宅 対象は「独居」または「夫婦二人暮らし」でかつ、毎日の生活に対して不安を覚えてしまう人や自立~軽介護の人。
もし入居途中で介護が必要になってしまった場合は、訪問介護や外部の在宅介護サービスにつなげるのが特徴。
介護型住宅 厚生労働省から「特定施設」として定められているのが特徴。
対象は、要介護が必要な人で、サ高住内に常駐するスタッフから介護サービスや生活支援サポートを受けられる。

基本的にどちらの型の住宅に住むかは、現時点で要介護認定を受けているかどうかで決まると考えられています。後述する「入居条件」と一緒に覚えておきましょう。

入居条件は型ごとに異なる

サ高住といえど、高齢者のための施設であるため入居条件があります。またサ高住は2つのタイプに分かれているため、どちらを選ぶにしても条件が満たされているかを知っておく必要があるでしょう。以下を参考にしてみてください。

種別 一般形 介護型
年齢 60歳以上
※介護認定蟻の場合は
60歳未満でも入居可能
60歳以上
※介護認定蟻の場合は
60歳未満でも入居可能
介護レベル 自立=軽度介護が必要な人 自立~要介護5認定の人
認知症の受け入れ 原則として、受け入れ不可 受け入れ可
連帯保証人 必須 必須

サービスにも型によって違いがある

相談

サ高住では提供されるサービスにも型による違いがあります。ただ共通している面もあって、常駐するスタッフによる「安否確認」と「生活相談」に関しては共通です。常駐スタッフが定期的に入居者の居室を訪問して現状を伺ったり、居室内で発生した困りごとや悩み、介護や生活全般の不安に関する相談に対応してもらえます。

基本的に、スタッフのほとんどは医療・介護関係の有資格者で構成されています。

そして日中はサ高住施設内に常駐し、それぞれの特徴に特化したサービスを提供してくれるのです。一方夜の時間帯に関しては、緊急通報システムを導入しているところがほとんどで、緊急時にすぐ駆け付けられるようになっています。

型によって違いがみられるのは「食事・掃除・洗濯」といった生活に関する支援の面と、「入浴・移動・排泄・リハビリ」に関する身体介護の面、レクリエーション、看取りの面です。これらのサービスを「一般型」の人が受けたい場合、入居者が必要に応じて外部の事業所を選ぶ必要があります。各自で必要と思われるサービスを契約し、個別で対応するのが原則となっているのです。

一方、「特定施設」の指定を受けている「介護型」のサ高住の場合は、サ高住に常駐している日中のスタッフから上記のサービスを受けることができます。

また特別養護老人ホームなどで行われる「レクリエーション」についても、型によって頻度が異なります。「介護型」の入居者に対しては頻繁に行われるところが多いのですが、「一般型」はサ高住によって差があります。「一般型」の施設内に共有スペースがある場合は、「介護型」と同程度の頻度でレクリエーションが行われるでしょう。しかし、レクリエーションの種類によっては参加費がかかったり、条件が付く場合もあります。

看取りに関しては「介護型」の場合、当直の看護師が24時間態勢で在勤してくれたり、た当日の担当医との連携によって最期まで対応可能です。しかし「一般型」は原則外部にサービスを任せているため、24時間対応の訪問看護サービスや訪問診療などが設定されている会社と提携している必要があります。そして外部であることから多くの費用がかかることも予想されるでしょう。

このように、同じサ高住の入居者であっても型によって違いがあるのです。

費用も型によって大きく異なるのが一般的

前述したように、サ高住は型によってサービスや待遇が異なります。またどんな物事でも待遇が良いとそれなりに費用がかさむように、型によって費用が大きく異なるのもサ高住の特徴です。以下はサ高住の型ごとの費用を目安にまとめた表です。

項目 初期費用 月額費用
一般形 約数十万円 約5~25万円
介護型 約数百万~数千万円 約15~40万円

表に示した金額に差があるのは、要介護のレベルによって必要となるものやサービスの度合いが変わるためです。細かくは施設によって異なりますが、原則として要介護度が高い方が月額費用や初期費用が大きくなる傾向にあります。

各介護施設の種類・違い

介護

超高齢化社会に向けて注目されている介護施設は「サ高住」だけではありません。

他にも数多くの介護施設があり、それぞれ特徴に違いがみられます。サ高住に関して情報収集するとともに、他の介護施設についても知っておくと比較がしやすくなるはずです。

民間施設の種類と違い

民間の介護施設とは、文字通り民間事業者が運営している施設のことで、主に「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「グループホーム」の三つが挙げられます。

介護付き有料老人ホームとは、要介護1~5までのいずれかの認定を受けた人が入居できる「介護専用型」、自立支援や要介護を対象とした「混合型」に分かれており、生活支援、身体介護、リハビリなどのサービスも入居者に合わせて提供されるところが一般的です。

住宅型有料老人ホームは要介護の人だけではなく、要支援に認定された人や、自立を目的とした人も入居対象に入る施設です。施設によってどの対象に重きを置いているのかは異なるため、この種の施設を選ぶときは「どのような人をメインに置いている施設なのか」を確認した方が良いでしょう。またこの施設は入居中に介護が必要になった場合、外部の在宅サービス事業所と個人が契約を行い介護サービスを受けてもらうといった方法をとっています。

グループホームとは、5~9人の少人数で専門スタッフから機能訓練などを受けながら料理や掃除などの家事を分担して共同生活を送る施設のことです。一般家庭と似た環境で暮らすことで自立支援と精神的な安定を得ることが目的であるため、入居条件は上述した2つの施設よりも厳しいのが特徴です。要支援2以上で65歳以上の認知症高齢者で施設が登録している自治体に住民票を持つ人と決まっています。またもし入居中に大きな介護や医療ケアが必要になった場合は退去しなければならないとケースもあるのです。

公的施設の種類と違い

公的施設とは、社会福祉法人や自治体が運営する施設のことで、主に「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」の三つが挙げられます。

特別養護老人ホームは、よく「特養」という略称で呼ばれることが多く、介護が必要な人の中でも要介護3以上の人が入居基準となっている施設です。そのため身体介護や生活支援、リハビリテーションなどの介護サービスは充実しています。

しかし、看護師の夜間配置や当直の義務は課せられていないため、夜間まで継続した医療ケアが必要な人の入居は断られてしまうケースもあります。

また、現状は入居待機者がかなり多く、地域によっては数年先まで入居ができないということもあるようです。

介護老人保健施設も「老健」と略されて呼ばれることが多く、病院と自宅の間に入所する施設という役割をもっています。そのため、退院後にすぐ在宅生活復帰が難しい人などが入居し、自立した生活への復帰を目指すようなサービスを提供します。入居条件は要介護1以上です。入居期間に個人差はあるものの、平均で6ヶ月前後といわれています。

介護療養型医療施設とは「要介護1以上」かつ「医学的管理が必要と診断された人」が入居できる施設です。ここでは医学的管理の他にも理学療法士からのリハビリテーションサービスも提供されるのが特徴です。ちなみに、医学的管理が必要な状態とは「カテーテル吸引」「経鼻経管栄養が必要な状態」といった、1人では行えないことがメインとなります。

サ高住のメリット・デメリット

介護の費用

サ高住には、他の介護施設には見られないメリット・デメリットがあります。他の介護施設比べるときのためにサ高住のメリット・デメリットを知っておきましょう。

有料老人ホームよりも初期費用額が低い

第一にサ高住は、民間施設の介護付き有料老人ホームと比べて初期費用が安い特徴があります。サ高住の平均初期費用は上述したように数十万~数千万ですが、介護付き有料老人ホームは数億円もするところがあります。

高齢者に特化した住宅構造となっている

冒頭でも述べたように、サ高住は高齢者の安全や、安心した暮らしを得るといった目的で作られた施設です。そのため、高齢者にとって嬉しい住宅構造となっており、すべてがバリアフリー、各所に手すり完備はもちろん、エレベーターのボタンが低い位置に合ったり、文字は全て大きく表示されているといった細かい部分にまで配慮が行き届いているのです。

高齢者が入居条件である

高齢者が一般的な住宅に入居しようとすると、高齢者だからという理由で入居を断られてしまいます。しかしサ高住の場合は、入居条件自体が「高齢者であること」となっているため、年齢で断られることはありません。

同居や自立に向けた入居が可能

他の介護施設だと、ほとんどの場合配偶者の同居は不可です。また介護施設のため自立に向け入居は断られたり優先順位が低くなったりと不便なことが多くなってしまいます。

しかしサ高住は条件さえ満たせば、同居も自立に向けた入居も可能です。

生活の自由度も高い

外出

他の介護施設の場合、外出に関しては安全面を考えて原則不可にしていることが多いです。もし外出をしたとしても、集団で行動することになるでしょう。しかしサ高住の場合は、自由度が高く、条件はあるものの外出が認められています。

看護師の配置義務がない

上述したように、サ高住は原則として夜間の看護師常駐配置が義務ではありません。そのため、夜間に緊急な病状変化があっても夜間の医療従事者が常駐している施設よりも対応が遅くなってしまうデメリットが発生します。

要介護のレベルが上がると住み続けられない場合もある

サ高住には介護型住宅がありますが、一見要介護の人でも安心して住めるイメージがありますが、継続的な医療行為「吸引」「経鼻経管栄養」などが必要なほど重度の介護が必要になってしまった場合は、看護師が常駐している施設への移転を薦められてしまうケースがあります。

施設によってサービスの質や内容に差が出てしまう

どのような施設にもいえることなのですが、すべてのサ高住の質が高いとは言い切れません。もちろん理想はすべての施設で質が高いことですが、環境や入居者数、入居者へのサポートの厚さなどで、どうしても施設によって質に差が出てしまいます。

またレクリエーションにおいても頻度が高いところもあれば低いところもあるため、選ぶ際は、どれくらいの質の高さなのかを見学してみると良いでしょう。

月額の費用が高い

サ高住は他の施設と比べて比較停自由度が高いため、一般的な住宅や、公共施設と比べると月額費用が高い傾向にあります。そのため、ある程度貯蓄額に余裕がないと入居は難しいかもしれません。

サ高住は超高齢化社会を向かえる日本に不可欠な施設!

2020年現在も高齢化は急速に進んでおり、いまも施設への入居待機者は増えています。

高齢者の中には「入居する前に介護度が上がってしまうのでは…?」といった悩みを抱えている人も多いはずです。サ高住の普及は、そんな高齢者に安心して暮らせる場所を提供できる、これからの日本に必要不可欠な場所となるでしょう。


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