アパート経営

古くなったアパートの建替え時は?家賃と修繕費のバランスも大切!

改装工事

不動産を所有している方であれば、いかに多くの収益をそこから得るかを考えていることでしょう。特にアパートで家賃収入を得ているような場合には、いつ建て替えを検討するかなども非常に重要です。アパートの建て替えは高額な費用がかかりますが、その後の家賃収入について考えると建て替えたほうがよいと考える方も少なくありません。

一方でしばらくは修理を続け、将来的に建て替えるという選択をする方もいます。いずれにしても、古くなったアパートの建て替え時を見極めるのは簡単ではありません。そこで、古いアパートの建て替え時の目安や、家賃と修繕費のバランスをどのように取るかについて見ていきましょう。

アパートを建て替えるメリット

建替えによる収益アップ

アパートを建て替えるのは決して簡単なことではありませんが、建て替えにはメリットもあります。どのようなメリットがあるかについて知っておくと、建て替えを検討するモチベーションにつながるかもしれません。ではアパート建て替えのメリットについていくつか見ていきましょう。

収益のアップ

アパートを建て替える最大のメリットともいえるのが収益の増加でしょう。築年数が経ってくると、空き室が増えていきます。やはり新築アパートのほうがはるかに人気が高いのが実状です。

新築アパートにすると、家賃がやや高くても入居者が集まりやすくなります。古いアパートをそのままにして空き室を増やすのであれば、いっそ建て替えて多くの家賃収入を得たほうが結果的に利益が出るかもしれません。

おしゃれな外観や最新の設備を導入できる

築年数が経っていると、外観も古びてきます。おしゃれな外観のアパートであれば入居者も増えますが、見た目が古いとそれだけで敬遠されてしまう恐れがあります。

設備も同様に、建設当時は最新の設備だったものもときがたつにつれて使いにくい古い設備になってしまいます。例えば、30年程前は畳の居間やバス・トイレ同じ物件は普通でしたが、現在の新築ではほとんどありません。

こうなると家賃を下げても入居者が集まらない恐れがあります。新築アパートにしておしゃれな外観、最新の設備を導入すればかなりの入居者が集まることでしょう。

火災や地震に強い建物になる

日本は地震の多い国なので、アパートのような建物もできるだけ最新の耐震性を備えたものにしておく必要があります。また、老朽化による倒壊や瓦の飛散などで賠償責任を負う可能性もあります。

建築基準法などは時代とともに変化していくので、そのときに求められる耐震性を備えたアパートを建築すれば入居者にアピールすることもできます。

節税になる

さらに古いアパートを建て替えることには別のメリットもあります。それが節税です。

一つ目はやはり相続税対策として、現金を減らし借入をすることで数字上の利益を減らすことが出来る点です。また借入をせずに建て替え資金として建築費に充てるだけでも、現金を減らすことが出来るので相続税対策の効果が生まれます。

もう一点はアパートなどの不動産では減価償却費が発生します。大きな資産を所有している場合、購入費用などを一度に経費として計上するのではなく、毎年減価償却費として一定金額を計上するという考え方です。

5,000万円の建物の耐用年数が20年だとすれば、毎年250万円を減価償却費として計上していくことになります。これで不動産所得が少なくなり節税になるのです。しかし耐用年数が過ぎた古いアパートをそのままにしておくと、減価償却費が0円となり不動産所得が増加します。結果として確定申告の際の税金が高くなるのです。

しかし建て替えを行えば、再度減価償却費が発生し節税することができるのです。

アパート建て替えの目安

解体

アパートが古くなっているかどうか、建て替えたほうがよいのかどうかの見極めは非常に難しいものです。まだそれほど古くなっていないのに建て替えてしまえばもったいないですし、古くなりすぎると建て替えによって得られたかもしれない利益を逃してしまう恐れがあります。

ではどのような目安によって建て替えを検討できるかについて考えましょう。

耐用年数

資産には耐用年数があります。特に建物に関していえば、法定耐用年数が決められており、木造で22年、鉄骨造で27年です。最初に新築のアパートを建てたのであればこちらの法定耐用年数が、中古のアパートを購入したのであればさらに短い期間が耐用年数となります。

耐用年数を過ぎていると減価償却費が無くなるため税金が高くなる一方で、家賃を下げても入居者が集まらないという状況が生じ得ます。家賃は下がり、税金は上がるため、経営が厳しくなるオーナーも少なくありません。さらに22年前、27年前の建物となると、設備も古く時代のニーズに合わなくなってくることも多いので、建て替えを検討するひとつの目安となります。

リフォームの必要性

アパートが古くなってくると、建て替えないまでもリフォームをしたほうがよいのではないかと考えるかもしれません。しかし古いアパートでは、ユニットバスの交換や大幅な模様替えなど、大規模なリフォームが必要になるケースも多く、リフォーム代が高額になることも珍しくありません。

さらに古いアパートでは修繕費用がかさむこともあります。壁が壊れている、階段が老朽化して危ないといった場合、オーナーが修理しなければならないためかなりの支出が予想されます。

修繕やリフォームにかかるお金と、建て替えにかかるお金を考慮し、どちらがバランスがよいか考慮する必要があるのです。ただしこの場合、その後どのくらい入居者が集まるのかなどを考慮しなければなりません。

たとえば築30年のアパートの1室があり、賃料が5万円だったとしましょう。

大規模なリフォームと修繕によって50万円の出費があったものの、賃料は月額5万5,000円に上げることができたとします。すると一年間で6万円の賃料のアップとなります。しかし60万円のリフォーム代・修繕費を回収するには8年以上かかる計算です。

回収するまでには築年数は38年となり月額5万5,000円の家賃では入居者が集まらない恐れもあります。それならいっそ立て直してしまったほうが利回りがよくなるかもしれないのです。

空き室率の高さ

アパートの建て替えを検討できるもうひとつの目安が空き室率の高さです。空き室率が高いと経営が難しくなるため、建て替えて入居者を増やす必要があるかもしれません。空き室率が6~7割程度になったところで入居者に立ち退いてもらい建て替えることができるでしょう。

ただし空き室率が6~7割になってから建て替えを検討すると遅いので、検討はもう少し前、空き室率が5割程度になったところで始めるとよいでしょう。

修繕費の増加

こうした要素に加えて、修繕費が毎年高くつくようになってきたら建て替えを検討できるかもしれません。防水工事などは10~15年に一度、外壁塗装は15~20年に一回程度、内装の修繕も必要になってきます。もし築30年のアパートがあるとすれば、2回目の外壁塗装と修繕が必要になるでしょう。その場合には修繕費用だけで数百万円単位の出費となり、しかも築年数は30年のままなので家賃を上げることは難しいのが実状です。

であればいっそのこと建て替えて家賃を高く設定したほうが結果的に収益が上がる可能性もあります。これらの条件がいくつか、もしくはすべて揃ったならアパートを建て替えたほうがよいといえるかもしれません。

アパートの耐震性能について考える

構造

アパートに限った話ではありませんが、建築物で非常に重要になるポイントが「耐震性能」です。日本は地震が非常に多いので、建物には一定の耐震性能が要求されます。しかも地震の規模が大きくなっている昨今、さらに高い耐震性能をアピールポイントにする賃貸物件も増えてきています。

そこで古いアパートを所有している方は、そのアパートの耐震性能について調べておく必要があるでしょう。建て替えを検討するひとつの材料になるかもしれません。

耐震性能は耐震基準や耐用年数で確認を

耐震性能を測る方法はいくつかありますが、そのひとつがどの耐震基準で建てられているかという点です。現在求められている耐震基準は1981年6月1日に建築基準法の改正に伴って定められました。この新耐震基準であれば震度6もしくは7程度の地震が起こっても損傷しないとされています。建築確認の日付が1981年6月1日以降の場合には問題ありません。

しかし建築確認の日付がそれ以前であれば、耐震診断を受けて建て替えを検討すべきかもしれません。現在ではホームインスペクションが盛んに行われていますので、その結果を受けてリフォームで十分なのか建て替えた方が良いのか考えるのも良いでしょう。

建物の老朽化を確認

実際の耐用年数などとは別に、建物の形状や老朽化の具合を見て耐震性能を検討する方法もあります。どれだけ丈夫な材料で作られていても、メンテナンスがしっかりなされていなければ建物は老朽化し、耐震性能は著しく低下します。防水工事や外壁の修繕などを定期的に行っている建物とそうでない建物では30年経った時に大きな差が生まれます。

加えて壁や柱の多さ、壁の厚さ、柱の太さなども地震に耐え得る丈夫な建物を作るのに重要です。そして建物の老朽化を観察します。外壁のヒビ、床の傾き、立てつけの悪さなどは建物の老朽化のサインです。こうした老朽化が見られた場合にはアパートの建て替えを考えるべきかもしれません。

建て替えと耐震工事

古いアパートの耐震性能に不安がある場合、考えられる選択肢は二つです。建て替えか、耐震工事となります。どちらにもメリット・デメリットがあるので、よく検討する必要があるでしょう。

まず耐震工事のメリットですが、補助金や税制優遇を受けられる可能性があります。現在定められている耐震基準を満たすとともに、高い耐震性能を備えているとして入居者が多くなるかもしれません。

将来的にアパートを売却する際にも、同程度の築年数のアパートより高額で売れる可能性もあります。

ただし耐震工事にはデメリットもあります。まずは家賃収入を劇的に増やすことは難しいという点です。耐震性能が向上しても、築年数は変わらないため家賃を高く設定するのは困難です。耐震工事で多額の費用がかかっても、それをいつ回収できるかは分かりません。もしかすると回収が終わる前に建て替えになってしまう恐れもあります。

一方で建て替えの場合、今の耐震基準に適合した建物にしたり、さらに将来の耐震基準改正に備えてさらに高い耐震性能を付与した建物を建てることが可能になります。新しい建物、しかも高い耐震性能を持っているとなれば、高めの家賃を設定しても入居者が増えることでしょう。結果的に家賃収入の増加につながるかもしれません。

加えて修繕費用を抑えられるので、比較的早く建て替えの費用を回収できます。ただし建て替えは耐震工事よりも費用が高額になるので、経営状況によっては金融機関からの融資が受けられないなどの問題が発生する恐れがあります。加えて、現在入居者がいる場合には立ち退き費用を支払う必要も生じるでしょう。

古くなったアパートの建て替えに伴う立ち退き

話し合い

古くなったアパートを建て替えると決めた場合、建て替えにかかる費用以外にも考慮すべき点があります。それが「立ち退き」です。今入居している人たちは建て替えに伴って退去しなければならないので、アパートのオーナーにはその補償が求められます。

では立ち退きの費用は責任の範囲などについて見ていきましょう。

立ち退きの条件とは

アパートの建て替えに伴って入居者に退居してもらう場合、借地借家法第28条によって、正当事由と立ち退き料が必要となります。建て替えの場合、建物が老朽化したので立ち退いてほしいわけですが、これは正当事由というにはやや不足しています。そのためしっかりと立ち退き料を支払うことで法律の条件を満たして入居者に退居してもらうことができます。

立ち退き料の相場はいくら?

入居者に立ち退きをお願いする場合、立ち退き料を支払う必要が生じますが、立ち退き料の相場はいくらくらいなのでしょうか。

実は立ち退き料は法律でいくらと決められてはいないので、オーナーと入居者との話し合いで決まります。一般的には立ち退き料の相場が家賃6ヶ月分から10ヶ月分ほどといわれていますが、これも通例であるため入居者によって拒否される可能性はあります。

もちろんオーナー側としては一人あたりの立ち退き料を少なくしたいわけですが、入居者が納得してくれるようにどの範囲を立ち退き料に含めたらよいかを知っておく必要があります。

たとえば新居の敷金や礼金、仲介手数料など、さらに引越しの費用、インターネット環境を構築するための費用などが含まれます。

冷静に話し合って適切な立ち退き料を提示できるようにしなければならないでしょう。また立ち退き交渉は大家さんか弁護士でないと出来ないのでその点も留意しておきましょう。

アパートの建て替えにかかる費用はどのくらい?

工事費用

古いアパートを建て替えようとした場合、当然ですがどのくらいの費用がかかるのかをしっかり計算することが必要です。そうでなければ建て替えた後どのくらいで収益が上がるのか分からなくなってしまうでしょう。

アパートの建て替えには、アパートの解体費用と新しいアパートの建設費用があるので、ひとつずつ見ていきましょう。

古いアパートの解体費用

まず古いアパートを建て替えるためには解体が必要になります。ただしアパートの解体費用は建物によって大きく異なることを覚えておくべきです。たとえば木造アパートであれば、一坪あたり4万円から5万円ほど、鉄骨造りであれば一坪あたり6万円から7万円ほどの費用がかかります。

したがって部屋数の多いアパートを解体するためにはかなりの費用がかかると考えておくべきでしょう。さらに土地が狭い、隣家との隙間がない、重機が入りにくいといった条件の場合にはさらに余計に費用がかかるケースもあります。しかも解体費用に関しては金融機関からの融資が受けにくいため、自分で費用を捻出する必要があります。

新しいアパートの建設費用

古いアパートを解体したなら、今度は新しいアパートの建設費用が必要になります。木造の場合には一坪あたり40~60万円ほど、重量鉄骨造では一坪あたり80~120万円前後かかると思っておいたほうがよいでしょう。

こちらについても作業する場所や重機の有無などによって費用が変わります。複数の業者に見積もりを取ってもっとも納得できる業者に建設を依頼するようにしましょう。

古いアパートはさまざまな要素を考慮して建て替えを検討すべき

所有しているアパートが古くなってきたと感じている場合には、さまざまな要素を考慮して建て替えを検討する必要があります。耐震性能や耐用年数、空き室率、見た目の老朽化など非常に多くの要素が関係しているため、ひとつの基準だけではなく複数の基準を総合的に判断して建て替えるかどうかを決めるようにしましょう。

建て替えによって家賃収入が増え、修繕費が少なくなることが分かっていれば建て替えたほうが結果的に収益が上がるかもしれません。解体費用や建設費用と、その後の家賃収入などを考慮しながらもっとも利益になる方法を探すようにしましょう。


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