アパート経営

土地活用でアパート建築をする前に覚えておきたい全知識

土地活用 アパート建築

アパート経営は一定の入居者が確保できれば安定した収入を得られる点に加え、相続税の対策にもなる土地活用として注目を集めています。

ただし自身の土地であれば自由にアパートを建てられるとは限らず、特定の地域ではアパートを建設できないケースがあるのも事実です。

今回は、土地活用でアパートの建築を行う前に覚えておきたいポイントを紹介します。

アパートの立地環境と入居者ニーズを把握して間取りを設計する

アパート経営において物件の立地環境は入居率を左右する重要な要素です。

建てた物件が地域の入居者ニーズを満たせていない場合、そのギャップから入居希望者がほとんど現れないリスクが生じます。そのため事前に地域の入居者ニーズを把握し、適宜な間取りの物件を建設しなくてはいけません。

例えば、大学や専門学校などの教育機関が多い地域におけるアパート経営は学生が主なターゲットであるため、1Rや1Kといった間取りの物件が相応しいでしょう。

一方、2DKなど単身者向けでない間取りは入居を希望する学生が少なく、ターゲットの需要を満たせないので避けるべき設計です。

小中学校や公園を近くに擁するエリアの場合、3LDKや4DKといった間取り設計を行うことでファミリー層向けの物件として入居者を募れます。

アパート経営で失敗するリスクを低減するためには、アパートを建てる土地の環境と住まう層を明確にし、需要にコミットした適宜な間取りを設計することが重要です。

ただし近くに生活利便施設が存在せず最寄り駅までの距離が遠い土地は、需要が少なく空室リスクが高いため、アパートの建築・経営を行うべきではありません。

総務省が定期的に調査および公表している住宅・土地統計調査によると、総住宅数に対する空き家率は年々増加推移しており、平成25年における空き家の内訳は「賃貸用の住宅」が過半数を超える52.4%でした[注1]。

[注1]総務省統計局:平成25年住宅・土地統計調査[pdf]

市街化調整区域や工業専用地域ではアパートを建築できない

市街化調整区域

アパートは自身が所有する土地であれば自由に建てられるというスキームではありません。アパートは「都市計画法」に則って建築する必要があり、市街化調整区域や工業専用地域では原則的に建築が認められないので注意しましょう。

自身が所有する土地でアパートの建築が認められているか否かは、その地域を管轄する役場が公開しているウェブサイトや専用の窓口にて確認できます。

都市計画法とは区画ごとの開発計画を定めるほか、特定のエリアで建設される建物の種類などを制限する法律です。

同法律に基づいて各土地を大別すると「都市計画区域」、「準都市計画区域」、「都市計画区域外」のいずれかに該当します。都市計画区域および準都市計画区域に該当する土地は、アパートを建設する際に用途地域や容積率などの制限が設けられるのです。

都市計画区域 用途地域や容積率などの制限あり
準都市計画区域 都市計画区域に準じた規制が適用
都市計画区域外 用途地域や容積率などの制限なし

市街化調整区域とは自然環境を残して市街化の抑制を行う区域

都市計画区域では、次のように市街化を進める「市街化区域」または自然環境を残して市街化を抑制する「市街化調整区域」のいずれかに線引きされます。

どちらにも属さない都市計画区域は「非線引き区域」であり、現状は判断が先送りにされていますが、将来的に「市街化区域」または「市街化調整区域」に線引きされる予定の区域です。

市街化区域 市街化を進める区域
市街化調整区域 市街化を抑制する区域
非線引き区域 将来的に線引きされる予定の区域

市街化調整区域は自然環境や農地などを守るための都市計画が行われるエリアであるため、自治体からの許可が得られた場合など特例を除いて原則的にアパートを建設できません。

さらに各市区町村で定められた条例次第では、市街化調整区域でなくてもアパートを建設できない場合があります。

工業専用地域とは工場や事務所などの建設に特化した地域

工業専用地域

 

アパートを建設時には都市計画法における制限に加え、その土地が建築基準法で定められた用途地域で「工業専用地域」に該当するかどうかも確認しなければなりません。

工業専用地域は工場や事務所などの建設に特化した地域であり、アパートを筆頭とする住宅の建設が認められていません。建築基準法で定められた用途地域ごとに示されている要項とアパートの建設可否は次のとおりです。

地域 要項 アパートの建設可否
第一種低層住居専用地域 低層住宅の住環境を守る地域
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅の住環境を守る地域
第一種中高層住居専用地域 中高層の住環境を守る地域
第二種中高層住居専用地域 主に中高層の住環境を守る地域
第一種住居地域 住居の環境を保護するための地域
第二種住居地域 主に住居の環境を保護するための地域
準住居地域 幹線道路沿いで住居環境の調和を図る地域
商業地域 主に商業における業務の利便性を高める地域
近隣商業地域 近隣住民の生活の利便性を高める地域
工業地域 主に工業における業務の利便性を高める地域
準工業地域 住宅・商店・工場などが混在する地域
工業専用地域 工業における業務の利便性を高める地域

用途地域においてアパートの建設が認められていないエリアは工業専用地域のみです。他のエリアでは、接道義務やそれぞれ定められた容積率・斜線制限などを満たしていればアパートを建設可能です。

自身が保有している土地の用途地域は各市区町村がウェブサイトに公開している行政地図情報提供システムを利用するか、役場の窓口にて確認できます。

収支計画を立てて収支のバランスに不備がないかチェックする

アパートの戸数や賃料設定などを検討する際は、長期的な収支計画を立てて収支のバランスに不備がないかチェックしましょう。

収入計画において家賃や敷金・礼金などの収入に対し、修繕費やローンの返済といった支出が上回っていなければ問題ありません。しかし、収入のウェイトが過小であった場合は、戸数や賃料設定を見直して一定の収益が得られるように調整する必要があります。

さらにアパート経営で常に満室状態を保つことは困難なので、空室が続いた際における余剰資金も確保しておかなくてはいけません。

加えて経年により物件の大規模な修繕が必要になる場合もあり、収支計画の段階で年間ごとに見込める収入と発生する支出の内容と金額とシミュレーションしておきましょう。

また物件の需要は近隣における商業施設の開発や交通網の新設などによって変動するため、収支計画は周辺環境の変化に応じて見直しておくと良いですよ。

複数の業者を比較して信頼できる業者に施工を依頼しよう

アパートは土地活用に限らず相続税の節税対策としても注目されていますが、先述したとおり建設する前に覚えておくべきポイントがいくつか存在します。

さらにアパートの建築を行う際は、複数の業者を比較して最も信頼できる業者に施工を依頼しましょう。

年単位における家賃下落や税金などを含めた収支計画の作成および物件を建てる地域のマーケティングに基づいた提案がなされ、施工実績が豊富であるほど信頼できる業者と判断できます。


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