基礎知識

実践!相続税に関する税金の計算実例を教えます


土地活用をするときに、誰でも一度は【税金】について考えたことがあるのではないでしょうか?

でも実際、いろんな計算式があって分からない!と苦手意識のある方もいると思います。

この記事では、架空の人物、≪有効 活太郎さん≫の所有する土地を例にあげて、相続税の課税評価額で評価し、相続税の税額を計算していきます。

自分と照らし合わせて考えてみてください。

 

1.相続税の計算

(1)相続税計算の前提

相続税の計算の前提として、有効さんの土地の借地権割合は70%、借家権は30%、貸家の賃貸割合は100%、地域は普通商業・併用住宅地区と認定されています。

また、記載の資産以外に、株券・国債・ゴルフの会員券等はもっていないことを前提とします。

そして、税額等の計算にあたっては見やすいように適宜、端数についての四捨五入等をすることをご理解ください。

 

(2)有効 活太郎氏のプロフィール

有効 活太郎氏は、現在69歳です。

4年前に会社を定年退職しています。

親から相続した土地を賃貸して現金収入を得、定年後の暮らしを楽しんでいます。

活太郎氏の奥様の有子さんは、63歳で、専業主婦、家事の合間にスポーツジムに通い、友人もたくさん、健康的な生活をしています。

長男の一さんは、会社員で、さちさんと結婚し、子どもが一人います。

住まいは会社の社宅ですが、近い将来に社宅を出ることを考えています。

次男の二介さんは、独身サラリーマンで、IT関係の会社につとめています。

親と同居中で、気楽に過ごしています。

長女の香さんは、飲食店経営をしている土地活 太さんと結婚しており、子どもが2人います。

活太郎氏や奥様の有子さんにとってはかわいい孫たちです。

 

 

(3)有効氏の所有財産

①所有土地の概要

有効氏は東京都港区東麻布に住んでおり、先祖代々資産家一族です。

先代の時、相続で土地を処分したこともありますが、現在は5か所に土地を所有しています。

まず、土地A(100坪)を自宅として使用しています。

隣接している土地B(120坪)は駐車場として貸しています。

道路を隔てた土地C(160坪)は6区画に区分して貸地としています。

土地D(50坪)は、駅から2分の好立地で木造の賃貸アパートとなっています。

その他にも、環状8号線沿いに土地E(250坪)をしょゆうして、ガソリンスタンドに賃貸しています。

 

自宅(土地A)

有効氏の自宅は、東京でも人気の麻布十番にほど近い、都営大江戸線赤羽橋駅から徒歩5分の住宅地にあります。

敷地の面積は330㎡で、建物は2階建て、延床面積133㎡です。

前面道路は4m、路線価は420千円/㎡、国税庁の路線価ではC(借地割合70%)、普通商業・併用住宅地区と決定しています。

 

土地Aの課税評価額 330㎡(面積) × 420千円/㎡ =  1億3,860万円

「小規模宅地等についての軽減措置」を活用して、土地Aの評価額を下げることができます。

「小規模宅地等についての軽減措置」における代表的な軽減としては、配偶者や道教している親族が自宅の土地を相続した場合330㎡の部分までを80%減額するというものです。

・小規模宅地等の軽減:被相続人等の居住用の宅地等330㎡を限度として80%減額

 

土地Aの課税評価額(減税後) 小規模宅地

①330㎡(面積)×420千円/㎡=138,600千円

②330㎡(面積)×420千円/㎡×0.8=110,880千円

課税評価額(①-②)=27,720千円

 

小規模宅地等についての軽減措置を活用することにより、評価額1億3,860万円から1億1,088万円も評価が減額されました。

 

自宅隣接の駐車場(土地B)

山田氏は、自宅に隣接して397㎡(120坪)の駐車場を所有しています。

駐車台数は15台で、駐車料は月額2万5,000円/台です。

現在4台分が空いています。

前面道路は6m(路線価450千円/㎡)と4m(路線価420千円/㎡)の2方向で接道しています。

2方向で道路と接道していると、土地の評価額は次の式のとおりです。

【2方向の道路に接道している土地の課税評価額(普通商業・併用住宅地区の場合)】

課税評価額 = 土地面積×路線価①+土地面積×路線価②×0.08

土地Bの課税評価額 = (450千円/㎡+420千円/㎡×0.08)×397㎡≒1億9,200万円

 

貸地(土地C)

有効氏は、自宅の近くに532㎡(160坪)の貸地を所有しています。

貸地は6区画あります。

かなり前から貸しているので地代は安く、月額で1千円/坪です。

貸地の場合の土地の評価額は次の式のとおりです。

なお、この地区はC地区で借地権割合は70%となっています。

また、貸地⑤と⑥は2方向で接道しています。

土地Cの6区画の合計の評価額は2億3,250万円ですが、その30%が貸地の評価額なので、課税評価額は6,980万円となります。

【貸地の課税評価額】=土地面積×路線価×(1-借地権割合)

【土地C(6区画)の課税評価額】

土地 貸地① 貸地② 貸地③ 貸地④ 貸地⑤ 貸地⑥
面積(㎡) 66 66 100 100 100 100
評価額(千円) 29,700 26,400 45,000 40,000 48,200 43,200
底地権評価額(千円) 8,900 7,900 13,500 12,000 14,500 13,000

 

所有地(土地D)

有効氏は、赤羽橋駅から徒歩2分のところに、土地166㎡を所有しています。

この土地には、築年数の経過したアパートが有り、間取りは2Kで部屋数は4室です。

このように、所有地にアパートやマンション等の貸家が建てられている土地を「貸家建付地」といいます。

この貸家建付地の場合の評価額は、次の式のようになります。

今回の有効氏のアパートはすべて賃貸中のため、賃貸割合は100%となります。

 

【貸家建付地の課税評価額】

=土地面積×路線価×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 

【土地Dの課税評価額】※借地権割合70% 借家権割合30%の場合

土地Dの課税評価額=166㎡(面積)×700千円/㎡×(1-0.7(借地権割合)×0.3(借家権割合)×1(賃貸割合))≒91,800千円

 

貸地(土地E)

有効氏は、東京の桜田通りの沿道に827㎡の土地を所有しており、現在はガソリンスタンドに賃貸しています。

地代は月額70万円です。

貸地の評価額は次の通りです。

なお、このエリアはC地区で、借地権割合は70%となります。

【貸地の課税評価額】

=土地面積×路線価×(1-借地権割合)

【土地Eの課税評価額】

=827㎡(面積)×500千円/㎡×(1-0.7)≒1億2,410万円

 

②その他の資産(現金・建物)

有効氏は、普通預金で3,000万円の貯金をしています。

その他の財産はありません。

その他、土地Aには自宅、土地Dにはアパートも資産として所有しています。

建物の課税評価額をみると、自宅は2,000万円、アパートは1,164万円(借家権割合控除済=固定資産税評価額×(1-借家権割合)×賃貸割合)です。

 

③全体の相続税課税評価額

山田氏の相続税課税評価額は、土地が5億542万円、建物が3,164万円、預金が3,000万円となり、合計額は5億6,700万円となります。

 

【山田氏の土地・建物の課税評価額と現況】

土地 土地A 土地B 土地C
利用形態 自宅 建物40坪 自宅隣の駐車場15台  
所在地 東麻布5丁目 東麻布5丁目 東麻布5丁目
交通 赤羽橋駅徒歩5分 赤羽橋駅徒歩5分 赤羽橋駅徒歩5分
敷地面積 330㎡ 100坪 397㎡ 120坪 532㎡ 160坪
用途地域 第1種中高層住専 第1種中高層住専 第1種中高層住専
容積・建ぺい率 200/60 200/60 200/60
前面道路 4m 4m・6m 4m・6m
路線価 420千円/㎡ 450・420千円/㎡ 450・400千円/㎡
賃料・地代等 0円 275千円/月 160千円/月
課税評価額 27,720千円 192,000千円 69,800千円
建物評価額 20,000千円
土地 土地D 土地E 合計
利用形態 賃貸アパート(2K×4戸)  
所在地 東麻布4丁目 東麻布2丁目
交通 赤羽橋駅2分 桜田通り沿い
敷地面積 166㎡ 50坪 827㎡ 250坪 2,252㎡ 680坪
用途地域 商業 準住居
容積・建ぺい率 400/80 300/60
前面道路 10m 30m
路線価 700千円/㎡ 500千円/㎡
賃料・地代等 280万円/月 700千円/月
課税評価額 91,800千円 124,100千円 505,420千円
建物評価額 11,640千円 31,640千円

 

(4)相続税額の計算

①課税遺産総額の計算

仮に、有効氏が逝去したときの相続税額を計算してみます。

課税される遺産総額は、課税価格の合計から基礎控除額を差し引いて計算します。

基礎控除額は、まず、3,000万円を定額控除として差し引き、次に法定相続人の人数に600万円を乗じた金額を差し引きます。

 

【課税遺産総額の計算】

=課税価格の合計−基礎控除(3,000万円+法定相続人の人数×600万円)

【山田氏の課税遺産総額の計算】

5億6,700万円−(3,000万円+4人×600万円)=5億1,300万円

 

②相続税の総額計算

有効氏の家族は、奥様(配偶者)と長女、長男、次男の4人です。

相続税額を計算するときは、民法の法定相続の規定に基づき税額を計算します。

有効家の法定相続分は、配偶者の花子さんが2分の1、長女、長男、次男は各6分の1ずつとなります。

 

【法定相続による取得分】

相続人 法定相続分
有子さん(配偶者) 5億1,300万円×1/2=2億5,650万円
香さん(長女) 5億1,300万円×1/6=8,550万円
一さん(長男) 5億1,300万円×1/6=8,550万円
二介さん(次男) 5億1,300万円×1/6=8,550万円

 

有効家の各人の法定相続分に対する税額を相続税の速算表から計算します。

この合計が相続税の総額になります。

 

【相続人全体の相続税額】

相続人 相続税額
有子さん(配偶者) 2億5,650万円×0.45-2,700万円=8,843万円
長女・長男・次男の
3人の合計税額
8,550万円×0.3-700万円=1,865万円
1,865万円×3人=5,595万円

 

したがって、相続税額の総額は8,843万円+5,595万円で1億4,438万円になります。

 

【相続税の速算表】

区分 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

③個人別の相続税額計算

これで、相続税額の総額がわかりました。

次は、誰がどの土地を相続するかということです。

相続税の申告をすると、配偶者が取得した財産が法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい金額以下の場合、配偶者には相続税がかかりません。

なので、配偶者の有子さんは財産の1/2を目処に相続すると節税効果があります

ただ、節税を優先して権利関係が複雑になるような相続は避けましょう。

将来、有子さんの逝去後の二次相続についても、重大な問題です。

 

▼有子さんが相続した土地・建物・現金

配偶者の有子さんは、①自宅の土地Aとその建物、②土地Aに隣接している駐車場(土地B)、現金3,000万円を相続することにしたとします。

取得した財産の合計の課税金額は、2億6,972万円になります。

各人の相続税額の計算は、各人の実際に取得した財産の課税価格を課税価格の合計額で除した数値に、相続税の総額に乗じて計算します。

 

【各人の税額の計算】

=相続税の総額×(財産を取得した人の課税価格÷課税価格の合計額)

有子さんの相続税額は次の式の通りで、約6,870万円となります。

 

【配偶者の有子さんの税額算出】

相続税の総額:1億4,438万円×(取得した財産の課税価格:2億6,972万円 ÷ 課税価格の合計:5億6,700万円)

 

【配偶者の税額軽減】

非相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。

i.1億6,000万円

ii.配偶者の法定相続分相当額

有子さんの取得した財産の課税価格が、i.1億6,000万円、ii.2億8,350万円以下であれば非課税となります。

今回の取得財産の課税価格2億6,972万円はii.を下回っていますので、有子さんは配偶者の税額軽減により相続税は0円となります。

・香さんが相続した貸地

長女の香さんは、土地C(貸地)を相続することになりました。

取得した財産の合計の課税金額は6,980万円になり、相続税額は約1,780万円になります。

 

【長女の香さんの税額算出】

1億4,438万円×6,980万円/5億6,700万円≒1,780万円

 

・一さんが相続した土地E(貸地)

長男の一さんは、土地E(貸地)を相続することにしました。

取得した財産の評価額は1億2,410万円になり、相続税額は約3,160万円になります。

 

【長男の一さんの税額算出】

1億4,438万円×1億2,410万円/5億6,700万円≒3,160万円

 

・二介さんが相続した土地D(貸家建付地)

次男の二介さんは、土地Dの(貸家建付地)を相続することに。

取得した財産の評価額は1億344万円になり、相続税額は約2,630万円になります。

 

【次男の二介さんの税額算出】

1億4,438万円×1億344万円/5億6,700万円≒2,630万円

 

・相続税額の合計額

4人の相続税の総額は約7,570万円です。

 

【それぞれが相続をした資産の課税価格】

相続財産 土地A 土地B 土地C 土地D 土地E 預金
利用形態 自宅 駐車場 貸地 貸家建付地 貸地 現金
敷地面積 330㎡・100坪 397㎡・120坪 532㎡・160坪 166㎡・50坪 827㎡・250坪  
路線価 420 420
450
400
450
700 500  
土地評価額 27,720 192,000 232,500 91,800 413,500  
借地権            
底地権     69,800   124,100  
建物評価額 20,000     11,640    
課税評価額・計 47,720 192,000 69,800 103,440 124,100 30,000

 

相続人 配偶者 配偶者 長女 次男 長男 配偶者
課税価格 47,720 192,000 69,800 103,440 124,100 30,000
土地と貸地・貸家建付地・建物・現金の課税価格の合計 567,000

 

(5)子供3人で相続した場合の相続税額(参考)

仮に、有効氏ご夫婦が旅行をして、途中で事故にあい、ふたりとも同時に逝去された場合、残された3人のこどもたちの相続税額はどうなるでしょうか?

①相続税課税評価額

有効氏は、土地資産が相続税課税評価額で5億542万円、建物が3,164万円、預金が3,000万円あるので、評価額は5億6,700万円になります。

また、1,000万円の借入金が発見されたので、合計の評価額は5億5,700万円になりました。

 

②課税遺産総額

相続税額は評価額から基礎控除を差し引き、計算します。

基礎控除は、まず3,000万円を定額控除として差し引き、次に、法定相続人の人数に600万円を乗じた金額を差し引くことで算出できます。

 

【有効氏の課税遺産総額の計算】

5億5,700万円−基礎控除(3,000万円+3人×600万円)=5億900万円

 

③相続税の総額計算

有効家に残されたのは、長女、長男、次男の3人です。

民法が定める法定相続では、子供が3人残された場合、遺産は均等に3等分に遺産分割します。(第900条第4号)

相続税額を計算するとき、この民法の法定相続分をもとに税額を計算します。

 

【有効氏の遺族の法定相続による取得分】

相続人 法定相続分
香さん(長女) それぞれ
5億900万円×1/3=1億7,000万円
一さん(長男)
二介さん(次男)

 

有効家の税額を相続税の速算表から計算し、相続税の総額を計算します。

 

【有効氏の遺族の子供3人の相続税総額】

相続人 相続税額
長女・長男・次男の
3人の相続税総額
1億7,000万円×0.4-1,700万円=5,100万円
5,100万円×3人=1億5,300万円

 

したがって、相続税の総額は、1億5,300万円になります。

 

④個人別の相続税額計算

・香さんが相続した貸地

長女の香さんは、土地B(駐車場)と土地C(貸地)を相続することにしました。

取得した財産の合計の課税金額は2億6,180万円になり、相続税額は約7,190万円になります。

 

【長女の香さんの税額算出】

1億5,300万円×2億6,180万円/5億5,700万円≒7,190万円

 

・一さんが相続した土地E(貸地)

長男の一さんは、土地E(貸地)と現金3,000万円、債務1,000万円を相続することにしました。

取得した財産の評価額は1億4,410万円になり、相続税額は約3,960万円になります。

 

【長男の一さんの税額算出】

1億5,300万円×1億4,410万円/5億5,700万円≒3,960万円

 

・二介さんが相続した土地D(貸家建付地)

次男の二介さんは、小規模宅地の特例を活用するために、居住していた土地A及び建物と、土地D(貸家建付地)および建物を相続することにしました。

取得した財産の課税価格は1億5,116万円になり、相続税は約4,150万円になります。

 

【次男の二介さんの税額算出】

1億5,300万円×1億5,116万円/5億5,700万円≒4,150万円

 

【子どもたち3人がそれぞれ相続をした資産の評価額】

相続財産 土地A 土地B 土地C 土地D 土地E 預金 債務
利用形態 自宅 駐車場 貸地 貸家建付地 貸地 現金  
敷地面積 330㎡・100坪 397㎡・120坪 532㎡・160坪 166㎡・50坪 827㎡・250坪    
路線価 420 420
450
400
450
700 500    
土地評価額 27,720 192,000 232,500 116,200 413,500    
借地権              
底地権     69,800 91,800 124,100    
建物評価額 20,000     11,640      
課税評価額・計 47,720 192,000 69,800 103,440 124,100 30,000 △10,000

 

相続人 次男 長女 長女 次男 長男 長男 長男
課税価格 47,720 192,000 69,800 103,440 124,100 30,000 △10,000
土地と貸地・貸家建付地・建物・現金の課税価格の合計 557,000

 

・個人別相続税額の合計額

花子さん、長女、長男、次男の4人で山田氏の遺産を相続したときの相続税の総額は約7,570万円でしたが、有効さんご夫婦が不慮の事故で2人とも逝去されたときの子供3人の相続税の総額は1億5,300円となり、約2倍に増加します。

 

2.固定資産税・都市計画税の計算

(1)固定資産税

①土地の固定資産税

有効氏の所有土地と利用方法は表の通りです。

 

【有効氏の所有土地の利用方法】※現在

土地名称 面積 利用方法
土地A 330㎡ 自宅(建物132㎡)
土地B 397㎡ 駐車場
土地C 532㎡ 貸地6区画(建物が6棟)
土地D 166㎡ 賃貸アパート(4住戸)
土地E 827㎡ ガソリンスタンドに賃貸

 

土地Aは200㎡までが、小規模住宅用地となり、固定資産税は6分の1に減額されます。

130㎡については、一般住宅用地として、固定資産税が3分の1に減額されます。

土地Bは駐車場なので、減額の適用はありません。

土地Cは貸地で、6区画に分割されていて、居住用の建物が6棟建っているので6区画の小規模住宅用地の合計が532㎡ということになり、固定資産税は6分の1に減額されます。

土地Dは賃貸アパートがが建設されているので、小規模住宅用地となり、固定資産税は6分の1に減額されます。

土地Eは、住宅用地として使用されていないので、減額の適用はありません。

 

【有効氏の所有土地の固定資産税の減額】

土地名称 面積 固定資産税の減額の有無
土地A 330㎡ 200㎡までが小規模住宅用地、
固定資産税は1/6に減額
130㎡は一般住宅用地で3分の1に減額
土地B 397㎡ 固定資産税の減額の適用なし
土地C 532㎡ 6区画全て小規模住宅用地となり、
固定資産税は1/6に減額
土地D 166㎡ 小規模住宅用地の為、固定資産税は1/6に減額
土地E 827㎡ 固定資産税の減額の適用なし

 

②家屋の固定資産税

家屋の固定資産税の減額は、一般の新築住宅が3年、3階以上の中高層耐火(または準耐火)建築物が5年と、適用年数が限定されていて、有効氏の家屋はいずれも年数を経過しているため、減額の対象にはなりません。

 

(2)都市計画税

①土地の都市計画税

固定資産税の軽減と同様の適用となるので、有効氏の土地に対する都市計画税は次のとおりになります。

 

【有効氏の所有土地の都市計画税の減額】

土地名称 面積 都市計画税の減額の有無
土地A 330㎡ 200㎡までが小規模住宅用地、
都市計画税は1/3に減額
130㎡は一般住宅用地で3分の2に減額
土地B 397㎡ 都市計画税の減額の適用なし
土地C 532㎡ 6区画全て小規模住宅用地となり、
都市計画税は1/3に減額
土地D 166㎡ 小規模住宅用地の為、都市計画税は1/3に減額
土地E 827㎡ 都市計画税の減額の適用なし

 

②家屋の都市計画資産税

都市計画税では、家屋(住宅)に対する減額の制度はありません。

※自治体及び特殊な場合にはこの限りではありません。

 

3.不動産取得税の計算

有効氏が所有する土地Bの面積は397㎡で、容積率は200%です。

ここに容積率をフルに活用して2階建ての賃貸アパートを建てると、容積率対象で794㎡の建物が建ちます。

このうち、レンタブル比を90%とすると、住戸面積が40㎡の1LDKが18戸、合計面積720㎡の建物が建設できることになります。

このアパートの建設費が容積対象で80万円/坪とすると、建設費は1億9,200万円になります。

この固定資産評価額を1億円とします。

(住宅の不動産取得税の計算例)

①1億円(固定資産税評価額)-1,200万円×18戸=△11,600万円

固定資産評価額より軽減額が上回っているので、不動産取得税は課税されません。

 

②仮に、住戸面積が30㎡の1Kを24戸、合計面積720㎡の建物を建設すると、住戸面積が40㎡未満なので、軽減措置は適用できません。

この場合の不動産取得税は次のとおりとなります。

共用部分も加算できる場合があります。

1億円(固定資産評価額)×3%=300万円

このように、住宅面積30㎡の1Kなら24戸できますが、300万円の不動産取得税が課税されます。

また、固定資産税が3年間(もしくは5年間)にわたり2分の1になるという減額制度も適用となりません。

 

土地オーナーは、税制で優遇されている住戸面積が40㎡の1LDKが18住戸と、税制の優遇措置がない住宅面積30㎡の1K・24戸のどちらに入居者のニーズがあるかを考えなくてはなりません。

そして、不動産取得税が軽減される床面積40㎡以上の賃貸住宅を建てるのか、あるいは不動産取得税を支払っても床面積40㎡未満の賃貸住宅を建てるのかを判断します。

 

4.譲渡取得税の計算:土地B(駐車場)を売却する際の計算

(1)土地Bの現状

土地Bは、駐車場として賃貸し、台数は15台、そのうち11台を実際に賃貸し、4台分は空きとなっています。

この土地Bを売却する際の譲渡取得税を検討してみます。

駐車場の賃貸には借地借家法は適用されません。

山田氏は駐車場利用者に駐車場を閉鎖するので、駐車場使用契約を解約する旨の通知文を発送し、3ヶ月後に駐車場を閉鎖しました。

 

(2)土地Bの時価の概算

土地Bの東側6mの道路の路線価は450千円/㎡です。

路線価は公示価格の約80%の水準、公示価格は時価の約90%といわれますので、0.7で割り戻すと時価が約640千円/㎡となります。

土地Bの面積は397㎡あるので、概算総額は約2億5,400万円となります。

 

(3)土地Bの譲渡費用

この土地Bの測量と、境界標の新設、隣地所有者との境界確認書の取得を土地家屋調査士に依頼したところ、費用は100万円でした。

また土地の売却にあたっては、日頃相談している宅地建物取引業者に仲介を依頼し、仲介手数料は税込みで3%としました。

 

(4)所有期間の長・短区分

譲渡所得の税率は、長期所有の場合、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)、短期所有の場合は39.63%(所得税30.63%、住民税9%)です。

売却する場合で短期譲渡益が生じるときは、譲渡する年の1月1日において5年を超える所有期間になってから売却するのが賢明です。

有効氏はすでに5年を超えていたので、長期譲渡取得となりました。

また、相続で不動産を取得した場合は、非相続人の所有期間を引き継ぐことができます。

 

(5)土地Bの長期譲渡所得税の計算

次のとおりとなり、税額は4,727万円です。

2億5,400万円(譲渡価額)-(1,270万円(取得費5%)+100万円(測量費)+762万円(仲介手数料))=譲渡所得2億3,268万円

2億3,268万円×20.315%(所得税・住民税の合計)≒4,727万円

(※取得時の売買契約書等がない場合)

 

5.まとめ

今回は、とある家庭を例にとり、遺産相続時の分割の仕方による相続税の違いや、それぞれの相続人のケースでの課税評価額などを説明してきました。

土地の相続といっても、そのまま相続するのか、売却するのか、活用してから相続するのか、など様々なケースで評価額、相続税が変わってきます。

すでに相続した土地をお持ちの方、土地をお持ちで今後相続する可能性のある方は是非一度ご相談ください。

ひとりひとりのお客様のケースにあわせて、最適な土地活用(建築・売却・その他)のプランをご提案いたします。

ご相談は 土地活用の窓口 までお気軽にご連絡ください。


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