基礎知識

土地活用実例|自宅を賃貸併用住宅へ建替えた場合の事業収支


一戸建が建っていると思っていたら、しばらくして解体がはじまり、何やら建築しはじめ、完成した時には一戸建ではなく、オーナーの自宅兼賃貸住宅になっていた・・なんて光景を見たことがある方、たくさんいるのではないでしょうか。

自宅兼賃貸住宅のことを、一般的に賃貸併用住宅とよびます。

この記事では、自宅を賃貸併用住宅に建て替えたケースの紹介をしていきます。

 

1.活用検討地の現状

今回の活用検討の土地を、土地Aとします。

土地Aは、面積100坪(330㎡)で、2階建ての自宅が建っています。

用途地域は、第一種中高層住居専用地域にあたり、建ぺい率は60%、容積率は200%です。

 

【土地Aの現況】

土地Aの現況

 

2.賃貸併用住宅の基本プラン

建物は、木造2×4工法の3階建てで、準耐火構造(60分耐火)とします。

山田氏の自宅は日当たりの良い3階すべてを使い、専有面積は132㎡を確保しました。

1、2階は賃貸住戸6住戸となりました。

各住戸面積は、44㎡の2DKとし、1階の3戸については10㎡ほどの専用庭を付設したペット共生型の住戸としました。

建物の高さは1階あたり3mで総高9m、工期は基礎工事2か月、建築工事4か月の合計6か月です。

3階の自宅には、ゆったりしたリビングと独立性の高い書斎を設け、リビングには大きなテーブルをおき、奥様の趣味である洋裁を楽しめるように。

書斎ではご主人が読書や執筆を楽しむ計画とか。

駐車場は1台分しか取れなかったので、A氏の専用とし、玄関からはオーナー専用のエレベーターで3階に行ける設計にしました。

賃貸併用住宅では、まずはオーナーの生活を中心にプランをとりまとめていくことがポイントです。

 

【賃貸併用住宅の建設計画】

敷地面積 330㎡(100坪)
建ぺい率・容積率 60%・200%
建築面積 156㎡(47坪)
施工床面積 509㎡(153坪)
延床面積 463㎡(140坪)
容積対象面積 427㎡(129坪)
専有面積 396㎡(120坪)
構造・規模 木造(2×4工法)
60分準耐火構造・3階建て
高さ 9m
住戸 6戸@44㎡(13.3坪)
駐車場 1台(オーナー用)
工期 6か月

 

【賃貸併用住宅の外観】

賃貸併用住宅の外観

 

3.賃貸併用住宅の事業収支計画

(1)賃貸併用住宅の建築費

建物は木造2×4工法で建てることにし、外壁はタイル張りとします。

工事費は1億1,000万円、坪単価80万円(税込・以下同様)となります。

設計・監理料は495万円、その他の費用は165万円を見込み、総事業費は1億1,660万円となりました。

【賃貸併用住宅の総事業費(消費税10%込)】

項目 本体価格 消費税 税込価格
建築工事費 1億円 1,000万円 1億1,000万円
設計・監理費 450万円 45万円 495万円
その他経費 150万円 15万円 165万円
総事業費 1億600万円 1,060万円 1億1,660万円

 

(2)事業資金の調達

A氏の自己資金は1,000万円なので、残りのおよそ1億1,000万円は都市銀行から借り入れることにしました。

1住戸の月額賃料で、10万6,400円となります。

また、1階の住戸は約3坪の専用庭がついているので、月額の使用料を1千円/坪とします。

 

(3)アパートと駐車場の賃料の設定

マーケティングの結果をふまえ、賃貸住宅の月額賃料は坪単価で8千円としました。

1住戸の月額賃料は10万6,400円となります。

また、1階の住戸は約3坪の専用庭があるので、月額の使用料を1千円/坪としました。

 

【賃貸併用住宅の賃料設定等】

項目 単価等
賃料単価 月額8千円/坪
住戸の賃料 月額10万6,400円/戸(平均)
住戸の年間の収入(満室時) 766万円
専用庭の月額使用料 3千円/戸(住戸数3戸)

 

(4)ランニングコスト

①賃貸の管理

賃貸管理を専門の管理会社に収受賃料の5.5%(税込)で賃貸管理を委託することにしました。

②ランニングコスト

住宅部部分のランニングコストは次の表のとおりです。

 

【賃貸併用住宅の管理費とランニングコスト(月額)】

項目 単価等 金額
日常清掃費 2時間×週1回 1万2千円
定期清掃費 年1回 5千円
エレベーター保守費 年2回 5千円
共用部電気・水道料   5千円
修繕費   1万円
損害保険料 建築費の0.1%(年間) 9千円
固定資産税・都市計画税   4万8千円

 

(5)自己使用比率

土地Aに建設する賃貸併用住宅は3階建て、ワンフロアあたりの専有面積は、132㎡(40坪)、建物の総専有面積は396㎡(120坪)です。

このうち、最上階のワンフロアをA氏が自家用として使用するので、自己使用率は33.3%となります。

【A氏の自己使用比率】

使用目的 専有面積 比率
A氏の自宅として使用 132㎡ 33.30%
賃貸として使用 264㎡ 66.70%
396㎡ 100%

 

(6)賃貸併用住宅の事業収支計画

土地Aに建設する賃貸併用住宅の事業収支は、収入が住宅賃料と専用庭使用料の合計で777万円です。

そして、返済金や管理費、メンテナンス費用などの支出が711万円で、差引の収入は66万円です。

収入を総事業費で割った表面利回りをみると、A氏の賃貸併用住宅は6.48%となります。

収入から支出を差し引いた収益を総事業費で割った実質利回りでは0.55%となりました。

賃貸併用物件で利回りを上昇させるには、オーナーの自己使用率を下げ、できるだけ多くの専有面積を賃貸に回すことが有効です。

今回のケースでは、3階全てを自宅として使用したので実質利回りが低くなりました。

しかし、A氏の場合は土地Aに隣接する土地Bの駐車場使用料が年間300万円ほどになり、返済金の心配がなかったことから、事業計画にGOサインがでたのです。

 

【賃貸併用住宅の事業収支(初年度)】

総事業費(工事費単価80万円/坪) ① 1億1,990万円
借入金 1億1,000万円
収入 住宅部分賃料 ② 777万円
支出 借入金返済
   管理費(収入の5.5%)
   諸経費
   小計 ③
556万円
43万円
112万円
711万円
収支 ④=②-③ 66万円
表面利回り =②÷① 6.48%
実質利回り =④÷① 0.55%

 

まとめ

自宅を建替えて土地活用を検討する方は少なくありません。

でも、建替えた後はどこに住むか、住み替え問題も同時に発生します。

今回紹介した賃貸併用住宅であれば、住み替える家を探す必要はありません。

オーナーの自己使用率が利回りに影響するという課題もありますが、土地の状況によっては逆にメリットになることも。

土地活用の窓口では、賃貸併用住宅に強みをもったパートナー企業のご紹介も可能です。

まずはお持ちの土地にどんなプランが合うのか、診断してみてはいかがでしょうか。

担当相談員が、お悩み、ご状況を伺うところから、プラン診断、パートナー企業のお手配までしっかりサポートいたします。

お悩み相談は 土地活用の窓口 までお気軽にご連絡ください。


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