アパート経営

これで解決!賃貸経営の税金の仕組みと節税対策

土地活用や賃貸経営ををする時には、様々な不動産に関する税金があります。

ちょっと難しく感じる、でも、知らないと損する、知っていると得するような土地活用の税金のお話をしていきたいと思います。

※税理士法により弊社ではご相談・ご提案は出来兼ねますので、税金に関する相談については、直接税理士様にご相談ください。

 

1.不動産に関する税金

(1)不動産に関する税金

区分 税金の種類 課税対象
賃貸経営  所得税(住民税) 賃貸経営での不動産所得
個人事業税 賃貸経営での不動産所得
相続・贈与  相続税 相続による不動産取得
贈与税 不動産・資金の贈与等
不動産保有  固定資産税 不動産の所有
都市計画税 不動産の所有
不動産譲渡 譲渡所得税(住民税) 不動産の売却
不動産購入    不動産取得税 購入・建築など不動産の取得
登録免許税 ※ 不動産登記
印紙税 ※  売買・請負・金消契約書
消費税 ※ 消費に対する課税

上記の表をみれば、どんな時にどの税金が課税されるかはわかりますが、複雑なのは、上の税制にそれぞれ軽減措置があること土地と建物で適用要件が異なることです。

※のつく、登録免許税、印紙税、消費税に関しては、相続・贈与等その他の区分でも課税されます。

税金の控除などはこちらも参考にしてみてください。↓

不動産売却の税金|節税したいあなたが適用できる税金控除は?

 

また、譲渡所得税・相続税・贈与税をまとめて【資産税】といい、課税される金額が大きくなるケースが多いので節税する方法やポイントをおさえておきましょう。

土地や建物を登記するときの【登録免許税】や売買するときなどの契約書に【印紙税】、不動産の賃貸収入には【所得税】(不動産所得)【事業税】【消費税】などが課税されます。

ご自身が税理士など、税制を専門的に勉強している場合でない限り、全ての税金や制度にたいして理解するのは簡単ではないかもしれません。

 

そして、土地活用を実施するとオーナーが所得税の確定申告をしなければならないケースも出てきます。

自分の判断で決めるのではなく、必要に応じて専門家である税理士に相談しながら賢く節税していきましょう。

 

所得税、相続税、租税特別措置法などは頻繁に改正されることがありますが、一度基礎を理解しておけば、基本的知識に新たな内容の補填をするだけなので、問題ありません。

 

2.賃貸住宅経営に関する税金

ここからは土地活用における賃貸経営に関する税金について詳しく説明していきます。

(1)不動産所得税~賃貸経営で得た収入にも税金がかかる~

①不動産所得の計算方法

賃貸アパートや賃貸マンションからの賃料収入は、不動産所得となります。

不動産所得で損失が生じたら、事業所得・譲渡所得・山林所得についてのみ順序にしたがって総所得金額を計算する際に、他の各所得の金額から控除することができます。

これを、損益通算といいます。

不動産所得の金額=(総収入金額) - (必要経費)

【総収入金額】の例

科目 具体例
賃貸料  
礼金、権利金、更新料 本年中に収入確定した礼金、権利金、更新料
名義書換料、その他 名義書換料、返還不要となった保証金・敷金等。賃借人から受ける光熱費等

【必要経費】の例

科目 具体例
給料賃金 賃貸業務に従事する者に支払う給料
減価償却費 建物、付属設備、構築物などの償却費
貸倒金 収入計上した未収賃料などのうち、回収不要となった金額
地代家賃 敷地の地代
借入金利子 建物等を取得するための借入金の利子
租税公課 固定資産税、事業税、消費税、不動産取得税、登録免許税、印紙税等の税金
損害保険料 建物等についての火災保険料
修繕費 建物等についての修繕費用。ただし基本的支出として取得したものは減価償却する
雑費 その他の経費

ここで注意してほしいのは、賃貸アパート・マンション等を建設するための借入金返済について、必要経費として収入から控除できるのは【利息分】だけで、返済元金は必要経費にならないということです。

実際のキャッシュフローとしては支出していませんが、減価償却費は、収入から必要経費として控除することができます。

計算した不動産所得について、給与所得・事業所得など他の所得と合算して課税総所得金額を計算し、税率を乗じたものが消費税となります。

 

②事業的規模~不動産所得を事業として扱うかは規模によって変わる~

不動産所得は、その不動産貸付の事業的規模によって所得金額の計算上の取り扱いが変わります。

建物の貸付については、次のいずれかの基準にあえば原則として事業として行われているものと扱われます。

i.貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること

ii.独立家屋の貸し付けについては、おおむね5棟以上であること

 

事業的規模である場合とそれ以外の場合の所得金額の計算上の違いは下記にまとまっています。

内容 事業的規模 それ以外
資産損失(取り壊し、除去) 全額を必要経費に算入 不動産所得を限度として必要経費に算入
賃料回収不能の貸倒損失 必要経費に算入 収入計上年の修正申告
専業専従者給与(青色申告) 適用あり 適用なし
専業専従者給与(白色申告)
青色申告特別控除 最高65万円控除 最高10万円控除

 

③確定申告の重要性~意外とシンプル、でも大幅に節税できる~

確定申告に関する作業は、多くの人がオーナー自身ではなく税理士に依頼することが多いと思います。

しかし、不動産所得の数字はオーナー自身も理解しておくべきです。

確定申告の内容を把握すれば、陳多紀経営に必要な長期的なビジョンを養うことができます。

確定申告書をオーナーが作成し、内容を税理士にチェックしてもらう方法が一番望ましい方法です。

 

確定申告に必要な不動産所得を計算するためには、収入と経費の数値が必要です。

経費の数値では、修繕費や原状回復費用などの金額も含まれるので、細かい部分まで「何にいくらかかっているか」を知ることができます。

また、減価償却費という項目もあります。

減価償却は、建物や設備にかかった費用を法定耐用年数で分割し、毎年の経費として計上することです。

耐用年数や修繕費がわかれば、長期的な修繕計画をオーナー自身で計画することができるようになります。

設備は、15年以内に償却するので、16年目からは経費が少なくなり不動産所得が増加する分、所得税も増額します。

借入金にかかる金利は経費です。

元利均等返済方式においては、返済当初は支払いのうち、金利が占める割合が高くなります。ただ、年月が経過するにつれ、金利分が少なくなっていきます。

金利分が少なくなると、経費が少なくなり不動産所得が増加する分、所得税も増額します。

築年数が経過し家賃収入が減っても、支払利息や減価償却費(経費)が減った分所得に対する課税額が増えるので、オーナーの負担は大きくなります。

自分で確定申告を行うとこのような細かい数字の変化にも目が行き届くようになり、「賃貸経営を軌道に乗せる」ことができます。

賃貸経営など不動産所得の確定申告においては、収入も支出もほぼ一定なので入金元・支払先も固定なので比較的簡単な作業で終わります。

確定申告を自分ですると決意したら、次は「青色申告」です。

青色申告をすると、大幅に節税することができます。

青色申告特別控除、損失の繰り越し、専従者給与の必要経費への参入など様々なメリットがあるのです。

「青色申告は面倒くさい」「青色申告は難しい」「青色申告は手間が増える」と否定的なイメージを持っている方もいるかもしれません。

さきに書いたように不動産所得においては、入金も支出もほぼ固定なので、申告作業は他の業種と比較すると格段に楽なのです。

ポイントを理解すれば難しいことではないので、せっかくの節税の機会を無駄にせず確定申告・青色申告にチャレンジしましょう。

 

④所得税の累進課税~不動産所得が増えれば所得税もドンドン増える~

土地活用において、不動産収入がある場合、総合課税となって所得税が増加します。

また、所得税は累進税率なので不動産所得が増えれば増えるほど、所得税が増加することを覚えておきましょう。

例えば、課税される初頭金額が195万円のとき、税率は5%ですが、195万円をこえ、330万円以下のときは10%、1,800万円を超えると40%になるということです。

 

(2)個人事業税

①不動産貸付業の課税認定基準

不動産貸付業において、個人事業税の課税対象となるのは、下記の場合です。

区分 住宅の貸付 住宅以外の貸付 複数の貸付
家屋 一戸建 10棟以上  5棟以上 棟数、室数、契約件数の
合計10以上
一戸建以外 10室以上
土地 契約件数10件以上
面積2,000㎡以上
契約件数10件以上

 

②個人事業税の計算方法

不動産貸付業の課税認定基準に該当すると、個人事業税の課税対象になります。

個人事業税の事業主控除は290万円であり、個人事業税の税率は5%です。

【個人事業税の計算方法】

個人事業税の計算方法

 

 

 

 

なお、この個人事業税は、確定申告後に納税するため、納税資金を用意しておく必要があります。

 

3.相続に関する税金

(1)相続税の概要

相続税は国税です。

相続によって得た財産の価額の合計額から債務等を控除したものに、相続開始前3年以内の贈与財産を加算した金額が、基礎控除額を超える場合にその超える部分に対して課税される国税のことなのです。

相続税が発生した場合、相続税の申告と納税が必須となり、期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内となります。

相続税制が強化されたことにより、相続税の課税対象となる相続人の割合も増え続けています。

相続財産の金額構成比は、現金・預貯金等の31%、有価証券の14%をグンと追い抜かして家屋と土地をくわえた不動産の43%がダントツ多くなっているのが特徴です。

資産税への課税強化が進んでいる近年、土地に関する最新の相続税制度を理解し、様々な軽減措置を理解し、早めに相続税対策することが重要です。

 

(2)相続税の計算式

相続税の計算は下記のように行います。

1:被相続人の正味遺産額を計算する

2:正味遺産額から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額の算出をする

3:課税遺産総額を各法定相続人が民法に定める法定相続分に従って取得したものとして各法定相続人の取得金額を計算する

4:各法定相続人の取得金額に税率を乗じ、相続税の総額のもととなる税額を算出し、その算出税額を合計して相続税の総額を計算する

5:相続税総額を、財産を取得した人の課税価格に応じて按分し、財産を取得した人ごとの税額を計算する。

 

①正味遺産額の計算

【正味遺産額】=(所有財産)+(みなし相続財産)+(相続時精算課税適用財産)+(暦年課税適用財産)

        -(非課税財産)-(葬式費用控除)-(債務控除)

 

i)被相続人の所有財産

土地や建物、株式などの有価証券、預貯金、現金などのほか、金銭に見積もることのできる全ての財産のこと。

所在は日本国内、国外どちらでも問題なく、被相続人の財産で家族名義のもの、無記名のものも相続税の課税対象です。

 

ii)みなし相続財産

被相続人の死亡時支払われる生命保険金、損害保険金、退職金などは、相続等によって取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。

課税対象になるのは、500万円×法定相続人の数=非課税限度額 を超える部分となります。

 

iii)相続時精算課税適用財産

被相続人から生前贈与され、贈与税の申告の際に相続時精算課税を適用していた場合、その財産は相続税の課税対象となります。

相続税の課税価格に加算されるのは、相続開始時の価額ではなく、生前に贈与されたときの価額となるので注意しましょう。

 

iv)暦年課税適用財産

被相続人から相続などにより財産を取得した人が被相続人が亡くなる前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産は相続税の課税対象となります。

相続税の課税価格に加算されるのは、相続開始時の価額ではなく、生前に贈与されたときの価額となります。

 

v)非課税財産

・墓地、墓石、仏壇、仏具、神をまつる道具等日常礼拝をしているもの

・宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業に使われることが確実であるもの

・障がい者、または障がい者を扶養する人が取得する心身障害者共済制度の給付金を受ける権利

・生命保険金、退職金のうち500万円に法定相続人の数をかけた金額までの部分(控除内の分)

 

vi)葬式費用控除

葬式に際し、相続人が負担した葬式費用は、相続財産の価額から差し引かれます。

なお、墓地や墓碑の購入費用、香典返しの費用や法要に要した費用は葬式費用に含まれません。

 

vii)債務控除

借入金、未払金などのほか、被相続人が納めなければならなかった税金等、被相続人の債務は相続財産の価額から差し引かれます。

 

②課税遺産総額の算出

正味遺産額の合計額が、「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告義務があります。

相続税の対象となる金額が「課税遺産総額」です。

課税遺産総額=正味遺産額-基礎控除額3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

「法定相続人の数」は、相続人のうち相続の放棄をした人がいた場合も、放棄しなかった場合の相続人の数をカウントします。

被相続人に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは一人(いないときは2人)となります。

 

③各法定相続人の取得金額計算

課税遺産総額を、各法定相続人が民法に定める法定相続分にしたがって取得したものとし、各法定相続人の取得金額を計算します。

 

④相続税総額の算出

各法定相続人の取得金額に税率を乗じ、相続税の総額の基となる税額を算出する。

【計算例】正味遺産額が1億円で、配偶者と子ども2人で相続した場合

正味遺産額 - 基礎控除額4,800万円(3000万円+600万円×3名)= 課税遺産額5,200万円

この金額について下記の通り法定相続分を計算し、各人の総税額を算出したうえで合計していきます。

 

相続人 取得金額 計算式 税額
配偶者
(1/2相続)
2,600万円 2,600万円×15%−50万円 340万円
子どもA
(1/4相続)
1,300万円 1,300万円×15%−51万円 145万円
子どもB
(1/4相続)
1,300万円 1,300万円×15%−51万円 145万円
  相続税の総額  630万円

 


【相続税の速算表】この場合、相続税の総額は630万円となります。

区分 税率 控除額 区分 税率 控除額
1,000万円以下 10% - 2億円以下 40% 1,700万円
3,000万円以下 15% 50万円 3億円以下 45% 2,700万円
5,000万円以下 20% 200万円 6億円以下 50% 4,200万円
1億円円以下 30% 700万円 6億円超 55% 7,200万円

 

⑤相続人ごとの相続税額算出

相続税総額を、財産を取得した人の課税価格に応じて案分し、財産を取得した人ごとの税額を計算します。

この時、相続財産の1/2を取得した人は相続税総額の1/2を、1/4取得した人は相続税総額の1/4を負担することになります。

 

(3)相続税の納付

上記の計算により、納付税額が算出される場合、申告期限までに相続税を納付しなければなりません。

相続税納付については、税額軽減・税額加算があるので注意しましょう。

①配偶者の税額軽減

被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が次の金額のどちらか多い金額までは、配偶者に相続税がかからないという軽減措置です。

・1億6千万円 もしくは ・配偶者の法定相続分相当額

配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。

そのため、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象となりません。

配偶者である必要があるため、法律上の婚姻関係にあること、戸籍謄本の提出が必要ですが、婚姻期間の制限はありません。

 

②相続税額の2割加算

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与により財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族および配偶者以外の人の場合、その人の相続税額にその相続税額の2割分が加算されます。

 

(4)相続税の節税方法

相続税は、事前に対策を講じれば節税することが可能です。

また、相続財産の配分に関しての紛争も多いため、相続財産を合理的に分割しておくと後日の紛争防止になります。

特に土地は簡単には分割できないため、節税対策が必要です。

相続税の節税には、保険を活用する・会社を設立する・生前贈与する・不動産の活用をするなど様々な手法があります。

 

【相続税の節税のさまざまな手法】

不動産の活用:賃貸アパート・マンションの建設、定期借地権設定、小規模宅地活用等

贈与税の活用:相続時精算課税制度の適用、住宅取得等資金贈与の非課税制度等

保険の活用:保険金非課税枠の利用、保険金掛け金の贈与等

会社の設立:資産管理法人の設立、法人への土地賃貸

その他:子縁組、離婚による財産分与、非課税財産の購入等

 

土地オーナーであれば、土地活用による節税が一番オススメです。

土地に賃貸住宅を建てると、土地は貸家建付地の評価減、賃貸住宅であれば実際にかかった建築費と固定資産評価額の差が相続税の節税に大きな効果を発揮します。

土地オーナーが、土地活用をして節税をする場合は、オーナー自身が土地活用の事業収支をよく理解してから実施することが大切です。

専門の税理士とよく相談をすること、その土地活用が将来的に十分利益を生み出すかの検討をしましょう。

 

(5)土地活用による相続税節税効果

課税価格合計額を算出する場合、下記の図のとおり現金・預金で資産保有しているよりも、土地・建物で保有しているだけで評価額が下がりますが、いろいろな軽減措置を活用すればさらに評価減が見込めます。

①土地の評価方法

土地の評価方法は2つあります。【路線価方式】と【倍率方式】の2つです。

土地を自分で使用する自用地を基準として、評価額を下げるいくつかの方法を説明します。

 

1:借地権の評価方法

原則、自用地評価額に借地権割合を乗じますが、地域により借地権割合の倍率表が定まっています。

【借地の評価額】=自用地の評価額 × 借地権割合

路線価図の基準はアルファベットで表され、A=90%、B=80%、C=70%、D=60%、E=50%、F=40%、G=30%となります。


路線価図を見てみると、数字で示された路線価の横に借地権割合を表すアルファベットが付いています。

例えば、「300E」であれば、路線価は1平方メートルあたり300千円(30万円)となり、借地権割合はEの50%となります。

借地権の評価額は路線価に借地権割合をかけて算出するので、この場合、15万円となります。

 

2:貸宅地の評価方法

原則、自用地の価額から、借地権の価額を控除して計算します。

【貸宅地の評価額】=自用地の評価額 × (1-借地権割合)

 

3:貸家建付地の評価減

貸家の敷地となっている宅地は、自用地の価額より借家人の有する敷地に対する権利の価額を控除して計算します。

【貸家建付地の評価額】=自用地の評価額 - [自用地の評価額 × 借地権割合 × 借家権割合30% × 賃貸割合]

「借家権割合」はすべての地域で30%となっております。

「賃貸割合」は、その貸家にかかる各独立部分がある場合に、その各独立部分の賃貸状況に基づき、次の算式により計算した割合によります。

【賃貸割合】=賃貸されている床面積の合計 ÷ 独立部分の床面積合計

 

②建物の評価方法

建物は、固定資産税評価額に基づき評価します。

・貸家の場合

自用家屋の評価から借家権の価額を控除して計算します。

【貸家の評価額】=自用家屋の評価額 - [自用家屋の評価額 × 借家権割合30% × 賃貸割合]

 

③土地活用をして相続税を節税した事例

Oさん所有の不動産

・土地、面積400㎡

・路線価による自用地価額1億円

・定期預金1億円(相続税納税準備金として保有)

 

Oさんは所有している土地に2億円の借り入れで賃貸マンションを建設

土地評価額=1億円-(1億円×借地権割合70%×借家権割合30%×賃貸割合100%で、7,900万円になります。

建物評価額(建築費の60%と仮定)=1億2,000万円

貸家としての建物評価額=1億2,000万円―(1億2,000万円×借家権割合30%×賃貸割合100%)で、8,400万円になります。

 

・土地、建物と負債の合計額

土地7,900万円 建物8,400万円で合計評価額1億6,300万円

負債(マンションの建設費)は2億円なので、相続税評価額合計では、-3,700万円となります。

Oさんは、1億円の定期預金があるの課税価格の合計は、1億円-3,700万円=6,300万円となります。

つまり、土地活用のための2億円の投資により1億3,700万円の課税価格の引き下げ(節税)ができるのです。

  土地活用前 土地活用後
土地の評価額 1億円 7,900万円
賃貸建物の評価額 0円 8,400万円
建物の建設費(負債) 0円 △2億円
定期預金 1億円 1億円
課税価格の合計 2億円 6,300万円
課税価格の評価減(節税額)  - 1億3,700万円

 

(6)小規模宅地等の評価減の特例

小規模宅地等の評価減の特例とは、被相続人もしくは被相続人を生計を一にしていた親族の事業や居住用に供されていた宅地等のうち一定面積までの部分について、通常の相続税評価額から一定の割合が減額できる特例です。

 

この規定は、被相続人やその親族にとってその宅地がなくてはならないものであり、そのような財産に多額の相続税が課税されることによって被相続人が亡くなった後の遺族の生活に支障を及ば差ないようにするために設けられました。

なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等についてはこの特例の適用を受けることはできません。

①適用対象

被相続人等とは、被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族をさします。

宅地等とは、土地又は土地の上に存する権利で、一定の建物又は構築物の敷地のように供されているものをいいます。

②減額割合・減額となる地積

次のいずれかの条件を満たしている場合、記載の面積を限度として、減額割合が適用可能です。

利用区分 要件 減額割合 限度面積
居住用 特定居住用宅地
・配偶者が取得
・同居親族が取得し、相続開始時から申告期限まで居住し、
 申告期限まで所有
・被相続人に配偶者及び同居親族もいない場合に、相続
 開始前3年以内に自己または配偶者の所有する家屋に
 居住したことがない親族が取得し、相続開始時から申告期限まで
 居住し、申告期限まで所有
80% 330㎡
事業用 ①特定事業用宅地
・被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで事業継続かつ所有
・生計を一にする親族が取得し、相続開始前から申告期限まで
事業の用に供しており、かつ申告期限まで所有

②特定同族会社事業用宅地
・被相続人と親族等が50%超の出資割合の会社の事業用宅地で、
申告期限まで会社の事業用宅地で一定の親族(役員)が所有
80% 400㎡
貸付用 貸付事業用宅地
・被相続人の貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで貸付継続かつ所有
・生計を一にする親族が取得し、相続開始時から申告期限まで
貸付の用に供しており、かつ申告期限まで所有
50% 200㎡

 

この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書にこの特例を受けようとする旨を記載するとともに、小規模宅地等に係る計算の明細書や遺産分割協議書の写しなどを添付する必要があります。

そのため、未分割の宅地には適用することができません。

2018年税制改正により小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について次の見直しが行われます。

①持家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の特例の対象者の範囲から、次に掲げる者を除外する。

イ 相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがある者

ロ 相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

②貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者が当該貸付事業の用に供している者を除く。)を除外する

③介護医療員に入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていたものとして本特例を適用する。

(注)上記の改正は、2018年4月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。ただし、上記②の改正は、同日前から貸付事業の用に供されている宅地等については、適用しない。

 

4.贈与税

(1)贈与税について

贈与税は、個人から財産をもらった時にかかる税金のことです。

会社など法人から財産をもらった時、贈与税はかかりませんが、所得税がかかります。

また、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合や債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。

例外として、死亡した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する際に「相続時精算課税」を選択することができます。

 

(2)暦年課税

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に1人がもらった財産の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた額に課税されます。

1年間にもらった財産合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。

同時に、贈与税の申告は不要です。

 

(3)相続時精算課税制度

相続時精算課税の制度とは、原則60歳以上の父母または祖父母より、20歳以上の推定相続人である子または孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度のことです。

相続時精算課税を選択した贈与者ごとに、その年の1月1日から、12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して贈与税がかかります。

そして、この特別控除額は贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出することで控除を受けることができます。

また、前年以前にこの特別控除を受けた人は、その際控除された額を2,500万円から差し引いた残額が、その年の特別控除限度額になります。

相続時精算課税を選択したら、その選択をした年分以降全てこの制度が適用され、「暦年課税」へ変更することができません。

この制度の贈与者である父母もしくは祖父母が亡くなった時の相続税の計算上、相続財産の価額にこの制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の時価)を加算して相続税額を計算します。

◎通常の贈与の場合

贈与者→贈与財産→受贈者 :翌年2月1日から3月15日までに確定申告・納税

 

◎相続時精算課税制度による贈与

【生前贈与】

贈与者→受贈者

1)贈与財産A(2,500万円超)→通常贈与と同様に確定申告して納税する

2)贈与財産A(2,500万円以下)→同上機関に届出書提出、納税なし

 

【贈与者死亡による相続】

相続申告:贈与財産A(2,500万円以下)+相続財産B→両方を合計し課税価格として相続税申告(Aの評価額は贈与時点のもの)

 

(4)土地活用における相続税節税効果

Aさんが1億円で賃貸アパートを建設した場合

・建物評価額(建築費の60%)=6,000万円

・貸家としての建物評価額=6,000万円-(6,000万円×借家権割合30%×賃貸割合100%)で4,200万円

Aさんが建設したアパートは建物評価額が4,200万円となります。

このアパートを子どもBに相続時精算課税制度を利用して贈与するとします。

贈与税=(4,200万円-特別控除額2,500万円)×贈与税率20%=340万円

子どもBは、贈与税340万円を支払えば、受贈することができます。

このアパート賃料は、Bの収入になります。将来の相続税の支払準備金となります。

Aさん死亡時には、相続財産と受贈したアパート評価額とを合算した課税価格で相続税申告を行うことになります。

このとき、既に納税済の贈与税340万円が相続税額から控除できます。

 

相続時精算課税制度は、贈与時の評価額で相続財産に加算され相続税が計算されます。

受贈財産(この事例の場合はアパート)がの評価額が、相続時までに上昇していればこの制度を利用して有利になりますが、評価額が下落していれば納税額が増えて損する可能性もあります。

また、相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた宅地等は、「小規模宅地等の特例」の対象とならない為注意しましょう。

つまり、相続時精算課税制度を利用してより節税効果があるのは、贈与時より相続時の方が評価額が上がりそうな場合ということになります。

5.不動産を保有しているときにかかる税金

(1)固定資産税について

①固定資産税とは

毎年1月1日(割賦期日)現在の土地、家屋および償却資産(これらを固定資産と呼びます)の所有者に対し、固定資産の価格をもとに算定される税額をその固定資産の所在する市町村が課税する税金のことです。

東京都23区に関しては、特例で都が課税することになっています。

◎納税義務者

毎年1月1日(割賦期日)現在の土地、家屋および償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている人

◎課税標準と税率

固定資産税評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づき評価された額を知事又は市町村長が決定し固定資産課税台帳に登録したものです。

評価額は3年に1度、全研評価替えを行い価格決定します。評価替えの年度を基準年度といい2018年度がこの基準年度にあたります。

標準税率は1.4%です。

 

固定資産税=課税標準(固定資産課税台帳の登録価格)×標準税率1.4%

 

②住宅用地に対する課税標準の特例

住宅用地についてのみ、固定資産税負担を軽減するため固定資産評価額に、特例の倍率を乗じ、課税標準を求める特例措置が講じられています。

対象となる土地は、毎年1月1日において住宅用地である土地のみです。

区分 固定資産税の課税標準
小規模住宅用地 評価額×1/6
一般の住宅用地 評価額×1/3

小規模住宅用地:住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分の土地

一般の住宅用地:住宅用地で住宅1戸につき200㎡を超え、住宅の床面積の10倍までの土地

同じ住宅用地でも大きくなればなるほど、評価額があがるということです。

 

◎住宅用地の範囲

住宅の敷地の用に供されている土地を「住宅用地」といい、固定資産税が減額されます。

家屋が専用住宅ならば適用対象ですが、併用住宅の場合は、土地面積に記載の「住宅用地の率」までしか軽減されません

家屋の種類 居住面積の割合 住宅用地の率
専用住宅 全部 1
下記以外の併用住宅  1/4以上、1/2未満 0.5
1/2以上 1
地上5階以上の
耐火建築物である併用住宅  
1/4以上、1/2未満 0.5
1/2以上、3/4未満 0.75
3/4以上 1

 

③新築住宅に対する固定資産税の減額措置

新築された住宅が、次の床面積要件を満たす場合、新たに課税される年度から3年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年度分)に限り、当該住宅に係る固定資産税額(居住部分で1戸あたり120㎡相当分までを限度)の1/2が減額されます。

一戸建住宅 店舗棟の併用住宅 アパート等の共同住宅  マンション等の区分所有住宅 
床面積 居住部分の床面積
(全体の1/2以上)
独立区画の床面積
+共用部の按分面積 
専用居住の床面積
+共用部の按分面積
(専用居住面積1/2以上) 
50~280㎡ 50~280㎡ 50~280㎡ 貸家の場合
40~280㎡
50~280㎡ 貸家の場合
40~280㎡

 

④減額措置とマーケティングの調整

賃貸住宅の各住戸の床面積を40㎡以上にするのか、あるいは40㎡未満にするのかは、その地域でどのような賃貸住宅に需要があるかで変わってきます。

床面積40㎡以上の場合、固定資産税の減額措置が適用されますが、だからといって40㎡以下の賃貸住宅のニーズが多い地域で広すぎる部屋をつくって満室にならなければ固定資産税が減額になっても意味がなくなります。

節税は重要ですが、減額措置が第一優先ではなく、あくまでも入居者ニーズをふまえて満室経営することを第一優先にしましょう。

 

(2)都市計画税について

都市計画税とは、都市整備などの費用に充てるための目的税のことです。

原則、都市計画法による市街化区域内に所在する土地・家屋の所有者に対し、毎年1月1日現在、固定資産課税台帳に登録されている方に課税されます。

固定資産税同様、23区内は特例で都税として都が課税、それ以外は市町村が課税する市町村税となります。

◎納税義務者

毎年1月1日現在の土地、家屋の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方

◎課税標準と税率

標準税率は、固定資産税評価額の0.3%となります。

都市計画税=課税標準(固定資産課税台帳の登録価格)×標準税率0.3%

 

住宅用地に対する課税対象の特例

住宅用地についてのみ、都市計画税負担を軽減するため固定資産評価額に、特例の倍率を乗じて課税標準を求める特例措置が講じられます。

対象地は、毎年1月1日において住宅用地である土地のみです。

区分 固定資産税の課税標準
小規模住宅用地 評価額×1/3
一般の住宅用地 評価額×2/3

新築住宅に対する都市計画税の減額措置はありません。ただし市区町村によっては特例を定めている場合もあるので、確認してください。

 

6.不動産を譲渡したときにかかる税金

土地活用の成功の鉄則は、「自己資金は多く、借入金は少なく」です。

土地をいくつか所有している土地オーナーの遊休地を売却して自己資金をつくり、その資金でアパート・マンションを建てるという計画は堅実です。

個人の所得税は総合課税が原則ですが、土地や建物を譲渡(売却・交換)した場合の所得は、他の所得とわけて課税されます。

その理由は、土地や建物を譲渡するタイミングは自由に選択できるからです。

損益通算を認めると租税回避が容易になるからです。

先祖代々伝わる土地は別で、バブル期等に購入した土地は赤字売却の方が多いので、所得の多い時に赤字の土地を売れば損益通算できれば所得税を大幅に減らすことができます。

(1)譲渡所得税の概要

譲渡所得の対象となる資産は、土地・借地権・建物・取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、株式、公社債、金地金、宝石、書画、骨董などが含まれます。

譲渡とは、有償無償をとわず所有資産を移転させる全ての行為をいいます。

通常の売買のほか、交換・競売・公売・代物弁済・財産分与・収用・法人に対する現物出資なども含まれます。

譲渡所得は、譲渡資産の種類によって分離課税の対象になるものと、総合課税の対象になるものの2つに分けられます。

土地および建物等は分離課税となります。

分離課税については、譲渡所得金額についての税額を事業所得や給与所得などの他の所得の金額とは区別し、租税特別措置法に規定された税率によって計算します。

 

(2)長期譲渡所得と短期譲渡所得

土地や建物を売った時の譲渡所得は、次の通り所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の2つにわけ、税金の計算も別に行います。

譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものを長期譲渡所得、所有期間が5年以下のものを短期譲渡所得といいます。

 

(3)譲渡所得税の計算

①譲渡所得金額の計算

譲渡所得金額=譲渡価額-【取得費+譲渡費用】-特別控除

譲渡価額とは、土地や建物の売却代金などをいいます。

取得費とは、対象不動産の購入代金、購入手数料など資産取得に要した金額にその後支出した改良費、設備費などの額を加えた合計額をいいます。

取得費が不明または実際の取得費が譲渡価額の5%より少ない時、譲渡価額の5%を取得費とすることができます。

譲渡費用とは、対象不動産売却に支出した費用を言い、仲介手数料・測量費・売買契約書の印紙代・立退料・取り壊し費用などをさします。

特別控除は、通常はありませんがマイホーム売却の3,000万円特別控除など各種の特例があります。

 

②譲渡所得税額の計算

・長期譲渡所得税

税額=課税長期譲渡所得金額×15%(別途・住民税5%)

※2013年~2037年までは復興特別所得税として、各年分の基準所得税額の2.1%を所得税とあわせて申告・納付することになり、15.315%となります。

・短期譲渡所得税

税額=課税短期譲渡所得金額×30%(別途・住民税9%)

※上記同様、所得税は30.63%となります。

 

7.不動産を取得したときにかかる税金

(1)不動産取得税について

①不動産取得税について

土地や家屋を購入したり、家屋を建築するなどで不動産を取得したとき、登記の有無にかかわらず課税されます。

土地や家屋を有償・無償の別、登記の有無にかかわらず売買・贈与・交換・建築などにより取得した方が対象です。

ただし、相続により取得した場合には課税されません。

 

・税額

不動産取得税=取得した不動産の価格(課税標準額)×税率

・税率

取得日が2008年4月1日から2021年3月31日までの場合

土地・家屋(住宅) 3%

家屋(非住宅) 4%

※2021年3月31日までに宅地等を取得した場合、取得した不動産の価格×1/2を課税標準額とします。

 

②住宅用土地を取得したときの軽減

次のいずれかの要件に該当していれば、土地の税額から一定額が軽減されます。

ただし、軽減を受ける要件が定められています。

 

③住宅を取得したときの軽減

◎新築住宅の取得

床面積が次の要件を満たす新築住宅は、「特例適用住宅」として住宅の価格から一定額が控除されます。

・控除額:1,200万円

・税額の計算:(住宅の価格-控除額)×税率3%=税額

 

◎耐震基準に適合する中古住宅の取得

次のすべての要件を満たす中古住宅は、「耐震基準適合既存住宅」として住宅の価格から一定額控除されます。

・控除額:取得した中古住宅の新築された日に応じた額が控除されます。

・税額の計算:(住宅の価格-控除額×税率3%=税額

 

◎耐震基準に適合しない中古住宅の取得

2014年4月1日以後、耐震基準に適合しない中古住宅を取得した場合、以下の要件に該当するものについては家屋の税額から一定額が減額されます。

・要件:

個人の取得であること

床面積が50㎡以上240㎡以下であること

取得後6か月以内に、以下の3項目が行われること

→取得した中古住宅について耐震改修工事を行うこと

→耐震改修工事後の中古住宅が、耐震診断によって耐震基準に適合していることの証明がなされていること

→耐震改修工事後、取得者が当該住宅に居住すること

 

(2)登録免許税

土地や住宅などを取得したり住宅を新築したりすると、自分の権利を保護するために所有権の保存登記や移転登記をします。

また、建築費を金融機関から借り入れた場合、一般的に土地と建物に抵当権を設定します。

この投機に対して登録免許税が課税されます。

登録免許税は不動産の価額に税率を乗じ課税金額を算出しますがこの不動産価額は取引価格や路線価ではなく固定資産税評価額となります。

 

(3)印紙税

印紙税は経済的取引にともない、契約書などの文書を作成したとき、その文書に対して国が課する税です。

契約書などに印紙を貼り、消印することで納税します。

売買契約書や、住宅ローン等の金銭消費貸借契約書、工事請負契約書など課税文書の種類および記載金額によって印紙税額が異なります。

不動産の売買契約書、消費貸借契約書などは、印紙税額一覧表の第1号文書に該当します。

第1号文書に該当する文書としては、次の4種類のものがあります。

・不動産売買契約書、土地建物売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書など

・土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書など

・金銭借用証書、金銭消費貸借契約書など

・運送に関する契約書

 

8.その他の土地活用による節税

(1)建設協力金方式による節税効果

建設協力金方式とは、ロードサイドの土地にファミリーレストランやドラッグストアなど大型店舗を建設するときに活用される方式です。

ファミリーレストランなどの店舗利用予定者が土地オーナーに対して建設協力金の名目で事業資金を差し入れ、土地オーナーはその資金で店舗建設し、建築後は店舗利用予定者が一括して借り上げます。

建設協力金は、金融機関からの借入金同様に相続税の節税効果があります。

賃貸マンションでは、空室や家賃滞納の対策が必要ですが、建設協力金方式の場合一括借り上げなので、より安全で安心な土地活用の方法といえます。

ただ、ロードサイドなので、ある程度立地が限定され、広さも必要となります。

 

(2)定期借地権方式による土地評価額の減額

定期借地権とは、契約期限がきたときに契約の更新や延長がなく、立ち退き料も請求できない借地権のことです。

契約期間が50年以上の一般定期借地権、同10年以上50年未満の事業用借地権、そして同30年以上で建物付で土地を返還できる条件の付いた建物譲渡特約付き借地権の3種類があります。

一般定期借地権は主にマンションや住宅などで活用され、ロードサイド店舗やショッピングセンターの建設などでは、事業用定期借地権が活用されています。

土地に定期借地権を設定すると借地になるため、底地権割合が完全所有権に比べ減少し、相続税評価額が減額されます。

1億円の評価額の土地に定期借地権を設定した場合、借地割合が70%の地域では、国税庁の通達により底地割合が55%となります。

したがって、設定当初の相続税評価額は5,500万円となり、相続税評価額は4,500万円減少します。

 

定期借地権は、借地権のように法定更新の制度がなく、そのため契約期間満了等になると借地権は消滅し土地の所有者にその権利が戻ります

底地権の割合は毎年増加し、設定期間を経過すると完全所有権となります。

 

9.税務に対する基本姿勢

(1)土地活用オーナーに求められる税務知識

土地活用オーナーは税理士ではないので、全ての税務知識を完璧に理解していなくても問題ありません。

ただ、土地活用に関連する基本的な程度の知識は理解しておいた方がベストです。

土地オーナー自身も、土地活用する際には、相続税・固定資産税・所得税などを意識して組み立てを考えた方が良いですし、あらかじめ税務知識があれば、税理士の助言についても深く理解できます。

どんな時にどんな人を対象にどんな税金が課税されるのか、理解しておくだけで数倍スムーズに進めていくことができるでしょう。

 

(2)納税に関する原則

①節税

節税は、法律で定められた範囲内で税負担を減少させる行為のことです。

節税は合法で、堂々と行ってよいことであり、きちんと理解しており減税の対象者であればだれでも許される、いわば納税者の権利といえます。

相続税において一番簡単な節税の方法は、借入して建物を建てることです。(アパートやマンションなどの賃貸経営)

ただし、ここで注意しなくてはならないのは、建築費の分、節税することができても、借入金はなくならず事実上存在するものなので、賃貸経営などをして毎年収益を上げ、借入金を返済しなければならないということです。

せっかく節税しても、借入金が返済できず生活が破綻してしまったら意味がありません。

 

②脱税

脱税は、課税されてしかるべき場合にその事実をすべてもしくは一部を隠し納税を逃れようとする行為のことです。

2013年国税違反に関する裁判は116件にものぼり、一審判決では115件が有罪となり、有罪率は99.1%でした。

つまりほぼ有罪ということです。

 

③所得隠し

所得隠しとは、二重帳簿を作成して所得を隠蔽・仮想するものです。35%の重加算税が課せられます。

重加算税は行政処分であるため、前科がつくことはありません。

もっとも、場合によっては刑事罰になったり、行政処分になったりします。

意図的ではなくうっかりミス、と判断される納税申告の場合は、過少申告加算税となり10%加算されます。

 

④租税回避

租税回避は、節税との境目のグレーゾーンで、法律で規定されていない想定外の取引の場合に課税されなかった、つまり回避できた行為のことです。

法の網をくぐり、法律が想定していない形で、通常行わないような取引形態をつかって税負担を減少させることを租税回避といいます。

 

(3)課税決定に対する異議

①異議申立

税務署長等の行った更生や決定などの行政処分に対し、不服がある時はこれらの処分を行った税務署長等に対し納税者は異議申立をすることが可能です。

毎年5,000件前後の異議申立があり、その1割程度が異議申立を認められています。

 

②不服審査

税務署長等の異議申立に対する決定(異議決定)があった際に、納税者が主張を認められなかった、などの不服があるとき、国税不服審判所長に対し、「審査請求」をすることができます。

年間の国税不服審判所長に対しての「審査請求」は3,000件前後でそのうち15%前後が請求の全部または一部を認められています。

 

③訴訟

納税者は、国税不服審判所長が審査請求に対し却下や棄却したときに国側を被告とし裁判所に訴訟できます。

毎年の訴訟件数は350件前後でそのうち10%前後が納税者の勝訴となっています。

 

 

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