アパート経営

今でも可能!?平成28年税制改革後のアパート建築の消費税還付

消費税

これまで、アパートやマンションを建築・購入した場合、ある手続きをとれば消費税の還付を受けられた。つまり建築費・購入費にかかった税金を一部返金してもらえたのだ。

アパート・マンションの建築費用は5000万円から数億になることもある。建築費が8000万円なら、消費税8%で640万円だ。これが戻ってくるのは非常に大きいので、一時期は消費税還付ブームが起こったほどだ。

だが、平成28年の税制改革によって、消費税還付を受けるための条件は非常に難しくなった。現在も不可能ではないのだが、様々な手を打って還付を受けるほどの旨味はもうないというのが私の意見だ。

この記事では、過去頻繁に行われていた消費税還付の実態と、税制改革の内容、現在の状況と還付を受ける方法について説明する。

なぜ手続きをすると消費税の還付を受けられるのか

まずは消費税還付、つまり払いすぎた税金が戻ってくる仕組みについて説明する。

小売店の例で消費税還付の仕組みを考える

例として小売店の仕組みをあげてみよう。小売店では販売する商品を仕入れるが、その仕入れ費用には消費税がかかる。そしてお客様にその商品を販売する時には、通常は仕入れ値より高い金額で売り、消費税も受け取る。つまり、【仕入れ額にかかる消費税 < 販売額にかかる消費税】となっている。

小売店は【販売額にかかる消費税 − 仕入れ額にかかる消費税】が納税額ということになるのだが、販売不振などの時には仕入れ値よりも安く販売することもある。そうすると、【販売額にかかる消費税 − 仕入れ額にかかる消費税】はマイナスになり、納税しすぎになる。このときに支払いすぎた消費税が戻ってくることを「消費税還付」という。

アパート建築費は課税、家賃収入は非課税

それではアパート・マンション建築ではどうだろうか。

仕入れ費用にあたるのが建築費用、販売費用にあたるのが家賃収入だ。小売店の例と同様、家賃収入の消費税のほうが建築費用の消費税より少なければ還付される、と思うかもしれないが、そうはいかない。

というのは、建築費用には消費税がかかるが、家賃収入は非課税売上なので消費税がかからないからだ。アパート・マンション経営を初めて行う時には、個人事業主として税務署に登録するのだが、この登録によって「免税事業者」となる。免税事業者なので申告義務はなく、そのため消費税の還付は受けられないのだ。

だが、消費税の還付を受ける方法があり、以前はさかんに行われていた。

税制改革前までの消費税還付を受ける方法

返金

消費税還付を受けられない理由は、以下の2つだ。

  1. 免税事業者であること
  2. 家賃収入が非課税売上であること

つまり、この2つをクリアすれば、消費税の還付を受けることができるのだ。

免税事業者は消費税の納税義務がなく、そのため申告書の提出もできない。それであれば課税事業者になってしまえばよい。税務署に「課税事業者選択届出書」を提出すれば。課税事業者になることができる。

課税事業者になっても、家賃収入が非課税であることには変わりない。消費税の還付を受けるには、売上のうちの課税取引の割合が95%以上でなければならない。そこで、課税売上を作ってしまえばよい。一時期ブームになった「自動販売機スキーム」はこのいい例だ。自動販売機での売上は課税売上なので、自動販売機を設置して売上をつくり、申告することで消費税の還付を受けることができた。これは不動産投資家の間に広がり、たくさん行われた。

平成22年の税制改革での引き締めとその抜け穴

知恵の輪

多くの人が消費税還付を受けてしまうと税収に影響が出るので、税務署がこの状況を放っておくはずがない。平成22年に行われた税制改革ではこの消費税還付を食い止める変更が行われた。

税制改革前は、課税事業者は不動産取得後の3年間で課税売上割合が大きく変化した場合に、3年後に調整を行うことになっていた。課税売上を作るなどして消費税還付を受けていても、実際は非課税売上が大半になるので、3年後には還付された金額を返還しなければならないということだ。だが、これは課税事業者のまま3年間を経過させなければ避けることができた。調整を行う3年後までに、免税事業者になるか、簡易課税制度を選択すればよかったのだ。そうすることで、還付金を返還することなく受け取ることができた。

平成22年の税制改革で、これは封じ込まれた。届け出を出して消費税課税事業者になった場合、その2年以内に不動産を建築・購入すると、その後3年間は免税事業者・簡易課税への変更ができなくなったのだ。調整を行う前に免税事業者に戻ることを封じるのが目的だ。

たしかに従来の消費税還付の方法は封じることができた。自動販売機スキームも封じられた。しかしながら、これにも抜け道があった。ポイントは「2年以内に不動産を建築・購入すると」の、2年という期間だ。
まず届出書を提出して消費税課税事業者になっておき、それから2年間は何もしないでおく。その後に不動産を購入すれば「届出書を提出して課税事業者となって2年以内に不動産を取得する」という要件を外すことが可能だ。この抜け道によって、税制改革後も消費税還付を行う人は後をたたなかった。

平成28年の税制改革によるさらなる引き締め

チェーン

そして平成28年に再度、税制改革が行われた。前回の改革では、消費税課税事業者になってから2年以内の不動産取得に関する引き締めだったが、この2年以内という制限が撤廃された。「簡易課税制度を適用していない消費税課税事業者が不動産を購入・新築した場合、その後3年間は免税事業者・簡易課税制度への変更はできない」という内容になったため、消費税還付を受けることが極めて難しくなった。

それでも、消費税の還付を受ける方法はいくつかある。例えば以下のような方法だ。

  • アパートやマンションではなく、貸事務所や貸店舗にする。その場合の賃貸収入はすべて課税売上である。
  • 金の売買など、不動産投資以外の事業による売上を増やす。
  • 3年以内に不動産を売却する。調整が行われるのは取得から3年後なので、その前に売却すればよい。

だが、冒頭に書いたとおり、そこまでして消費税の還付を受けるのは、メリットよりもリスクのほうが高いと私は考えている。例えば上にあげた3年以内の売却だが、消費税課税事業者として売却した場合の売上は課税売上なので、そこで発生する消費税は払うことになる。他にも考えられるデメリットやリスクをあげてみよう。

  • 通常は税理士の力を借りることになり、消費税還付額の20%〜30%を報酬として支払うことになる
  • 消費税還付の分だけ減価償却費が少なくなる
  • 税務署を敵に回すおそれがある
  • 融資を受ける金融機関が嫌がる可能性があり、今後の取り引きに影響が出るおそれがある
  • 別途消費税がかかる場合がある

このようなことを覚悟したうえで、それでも消費税還付を目指したいという場合は、税理士と相談しながら最新の注意を払って対策をすすめてほしい。だが、私はおすすめしない。

まとめ

繰り返しになるが、平成28年の税制改革が行われた現在、消費税の還付を受けることは諦めたほうがよいと思う。そこに労力を割くよりも、もっと賃貸経営の本質的なことに時間をかけたほうが有意義だ。例えば建築費の削減や業者比較、家賃を最大限安定して得るための間取りや外装・内装といったことの検討・決定などだ。

税金のことを気にすることも重要であることは間違いないが、そこに固執しすぎず、現実的にできること、効果が高いことに注力し、賃貸経営を成功させてほしい。


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