アパート経営

アパート・マンション経営の必要経費10種類を知って節税しよう

領収書

アパート・マンションの経営では様々な費用が発生するが、確定申告で必要経費として計上できる項目を把握しているだろうか?正しく経費計上すれば、節税することができる。

所得税や住民税は所得(収入−必要経費)によって決まるので、必要経費が多ければそのぶん所得が減り、節税できるのだ。

必要経費の代表的なものは、減価償却費・修繕費・管理費・各種税金などだ。必要経費にできるかどうかの判断基準は「アパート経営をするうえで必要な経費だと合理的に説明できること」だ。大まかには経費の割合は家賃収入の約20%だと覚えておこう。

この記事では、必要経費の各項目について説明する。大切なお金を少しでも多く手元に残すためにも、よく確認してほしい。

1.減価償却費:支出を伴わない必要経費

木造

減価償却費は法定耐用年数の間、支出を伴わずに毎年計上できる必要経費だ。

例えば木造アパートの法定耐用年数は22年なので、一年間に22分の1ずつ価値が減少していくと考える。その22分の1が、毎年必要経費として計上できる金額だ。建築費6000万円であれば272万7千円である。

建物はこのように、毎年一定の金額を減価償却費として計上する。この方法を定額法という。一方で設備関係は、定額法と定率法のいずれかを選択できる。定率法は、取得初年度が最も減価償却費が大きく、2年目以降次第に減っていくという償却方法だ。

建築構造ごとの耐用年数を以下にまとめる。建築費をこの年数で割った金額が、毎年経費計上できる金額だ。

  • 木造:22年
  • 軽量鉄骨造:27年
  • 重量鉄骨造:34年
  • 鉄筋コンクリート造(RC造):47年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):47年

建築構造についての記事:アパート・マンション経営における構造(木造・鉄骨・RC・SRC)の選び方

2.修繕費:20万円未満または周期3年以内の修繕

修繕費

入居者が退去した後のメンテナンス費(内装工事費、エアコンや給湯器などの設備交換費用など)は修繕費として経費計上できる。ただ、修繕にかかった費用はその内容によって修繕費と資本的支出に分かれる。その違いは以下だ。

  • 修繕費:工事やリフォームが完成した年に全額を経費計上する
  • 資本的支出:まず資産に計上し、それから減価償却費として資産の耐用年数にあわせて経費計上する

どちらに分類されるかの考え方はこうだ。まず、1回の修繕費が20万円未満、または修繕周期が3年以内であれば修繕費になる。
当てはまらない場合は、明らかな維持管理や原状回復(割れたガラスや瓦の修理等)は修繕費、明らかに価値を高めるもの・耐久性を増すものは資本的支出にする。

それでも判断できない場合は、60万円未満であれば修繕費にできる。判断できない場合で60万円を超えている場合は、前期末取得価額の10%以下かどうかで判断する。前期末取得価額とは、例えば4千万円で購入した建物に大がかりな修繕をした場合、4千万円の10%の400万円までは修繕費として経費計上できるという基準だ。
この場合でさらに400万円も超えている場合は、7:3基準で判断する。これは、支出額の30%か前期末取得価額の10%(この例の400万円)のいずれか少ない金額を修繕費とし、残りを資本的支出とする方法だ。ここまでくればいずれかに分けることができるはずだ。

なお、金額が小さいほど修繕費にしやすいので、工事の明細は出来る限り項目を細かく記載してもらうとよい。

3.修繕積立金:将来の大規模修繕工事のための積立金

大規模修繕

建物管理会社に毎月支払う修繕積立金は、通常は実際に修繕工事を行って工事が完了した年に経費計上する。だが一定の条件を満たした場合に限り、毎年の必要経費として計上できる。一定の条件とは以下だ。

  • 管理組合の規約によって支払い義務があること
  • 将来の修繕等以外の用途に使用されないこと
  • 物件オーナーへの返還義務がないこと
  • 積立金額が長期的修繕計画にもとづいた合理的な金額であること

管理組合の規定を確認すればわかる場合が多いので、確認しておこう。

4.管理費:管理委託費と賃貸管理代行手数料の2種類

管理

管理費には2種類ある。管理委託費と賃貸管理代行手数料だ。いずれも必要経費として計上できる。

管理委託料は建物全体の管理を委託する費用であり、賃貸管理代行手数料は入居者・部屋単位の管理を委託する費用だ。

(1)管理委託費は建物全体の管理費用

管理委託費は建物全体の管理の委託費用であり、支払先は建物管理会社だ。建物管理会社が行う主な管理業務は以下。

  • エレベーターや給排水設備、電気設備など建物設備の保守管理業務
  • エントランス、廊下など共有部の清掃
  • 各種消防設備の法定点検業務
  • 管理組合の運営サポート
    など

(2)賃貸管理代行手数料は入居者・部屋単位の管理費用

賃貸管理代行手数料は入居者・部屋単位の管理の委託費用であり、支払先は賃貸管理会社だ。賃貸管理会社が行う主な管理業務は以下。

  • 家賃の集金代行
  • 空室時の入居者募集
  • 入居中のトラブル対応
  • 退去時の内装工事の手配
  • 賃貸借契約、更新契約など各種契約業務
  • エアコンや給湯器の設備交換業務
    など

5.各種税金:経費の対象になるのは6種類

家の税金

各種税金のうち、アパート・マンション経営で経費の対象になるものは以下の6種類だ。

  1. 登録免許税
  2. 不動産取得税
  3. 印紙税
  4. 固定資産税
  5. 都市計画税
  6. 事業税

それぞれについて説明していく。なお、所得税、住民税、相続税は必要経費にはならない。

これらの税金は、正確には「租税公課」という。租税とは税金、公課とは公の費用のこと(例:組合費など)だ。難しい言葉なので特に覚える必要はないが、文書などで出てくることがあるので説明しておく。

(1)登録免許税

登録免許税は登記の申請前に支払う税金だ。初年度のみ発生する。計算式は以下。

【登録免許税=課税標準×税率】

課税標準は、土地の場合は固定資産税評価額と同じで、建物の場合は固定資産税評価額よりも小さい額となる。税率は以下のように登記理由によって異なる。

  • 売買:2%(土地のみ、平成29年3月31日まで1.5%)
  • 相続:0.4%
  • 贈与:2%
  • 新築:0.1%〜0.15%

例えば固定資産税評価額5000万円の土地の場合、登録免許税は相続なら20万円、贈与なら100万円だ。

(2)不動産取得税

不動産取得税は土地や家屋を取得した場合に、初年度のみ支払う税金だ。取得方法は売買・新築・増改築・贈与・交換などがある。相続による取得の場合は非課税となり、相続税と二重にかかることはない。

計算式は以下だ。税率4%は平成30年4月1日までの取得であれば3%となる。

【不動産取得税=固定資産税評価額×4%】

居住用の住宅および宅地であれば、特例により以下の計算式が適用される。

  • 土地:(固定資産税評価額× 1/2 ×4%)−控除額*
  • 建物:(固定資産税評価額)1200万円**)×4%
    *(土地1㎡当たりの固定資産税評価額 × 1/2)×(課税床面積 × 2(200㎡限度))× 3%
    **建物の控除額1200万円は新築の場合であり、中古物件は建てられた年により変わる

(3)印紙税

印紙税は、印紙税法で定められた文書に課税される税金だ。アパート経営においては工事請負契約書、ローン契約書、金銭消費貸借契約証書などが該当する。初年度のみ発生する。

納税額は契約金額により異なるので、工事費用に該当しそうな金額帯における納税額を以下に記す。

  • 500万円〜1000万円:2000円
  • 1000万円〜5000万円:1万円
  • 5000万円〜1億円:2万円
  • 1億円〜5億円:6万円

(4)固定資産税、(5)都市計画税

土地や建物の所有者が毎年支払う必要がある税金だ。固定資産税はすべての土地と家屋が対象となり、都市計画税は都市計画区域にある土地と建物のみが対象となる。

  • 固定資産税=固定資産税評価額×1.4%
    ※税率は市区町村により異なるが、大半は1.4%。
  • 都市計画税=固定資産税評価額×0.3%
    ※税率の0.3%は上限であり、市区町村により異なる。

アパート経営・マンション経営を行うと、固定資産税評価額の軽減措置を受けられ、納税額が減る。

  • 土地の固定資産税は1/6になる(1戸あたり200㎡まで。それを超えた部分は1/3)
  • 建物の固定資産税は新築後3年間は1/2になる
  • 土地の都市計画税は1/3になる(1戸あたり200㎡まで。それを超えた部分は2/3)
  • 建物の都市計画税への減税措置は特にない(自治体によって特例措置をとる場合がある)。

(6)事業税

事業税は事業所得にかかる税金だ。個人でアパート経営を行っている場合でも、事業主控除290万円を超える課税所得を得ていれば毎年支払うことになる。計算式は以下。

【事業税=課税所得額−事業主控除290万円×税率5%】

事業主控除は、営業期間が1年未満の場合は営業月で割った額になる。また、税率5%は個人としてアパート経営をしている場合の個人事業税の税率であり、法人が行う場合は課税所得額により税率が変わる(5%〜9.6%)。

税金についての記事:土地や建物にまつわる税金の基礎知識

6.損害保険料:当年度分の金額のみが経費精算対象

保険

損害保険料の代表的なものは火災保険料、地震保険料だ。経費計上するにあたり注意すべきことは以下。

  • 営業期間が1年未満の場合は、営業月で割った額が経費精算対象。
  • 数年分一括で支払った場合は、申告する年度にかかる分の金額のみが経費精算対象。
  • 賃貸併用住宅(自宅兼賃貸物件)の場合は自宅部分に該当する金額が経費精算対象外。

例)7月1日に火災保険料を10年間分一括で30万円支払った場合の当年度経費は、当年度該当期間が6ヶ月(7月1日〜12月31日)なので、【30万円÷120ヶ月×6ヶ月=15,000円】となる。

7.借入金利息:経費になるのは利息のみ

利息

ローン返済における利息は必要経費になる。返済金額のうち元本部分は必要経費にならないので、元本と利息をまとめて返済している場合は利息部分の金額を計算し、その金額のみを経費計上する必要がある。

賃貸併用住宅(自宅兼賃貸物件)の場合は、賃貸部分の利息のみが必要経費になり、自宅部分にいての利息は必要経費にならない。また、建築期間中の利息は、賃貸経営が初めての場合は経費計上できない(賃貸経営経験がある場合は経費計上できる)ので、注意してほしい。

ローンについての記事:アパート・マンション経営に必要なアパートローンの全知識

8.手数料:代表格は仲介手数料

仲介

手数料の代表格は、不動産会社に支払う賃貸仲介時の仲介手数料だ。これは必要経費として計上できる。

仲介手数料は入居者との賃貸借契約が成立した際に発生する。その金額は法規制によって上限が決まっており、貸主と入居者(借主)それぞれ「家賃の0.5カ月分以下」を不動産会社に支払うと定められている。だが貸主と入居者が承諾すれば、不動産会社はいずれか一方から「家賃の1カ月分以下」を受け取ることができる。

募集広告費などの通常の仲介業務で発生する費用は仲介手数料に含まれており、別で支払う必要はない。ただし特別な依頼による広告費用などの実費は、不動産会社から貸主へ請求することが認められている。

9.水道光熱費:貸主負担になる共用部分は必要経費

電気代

各部屋の水道光熱費はもちろん借主の負担だが、アパート・マンションの共用部分の水道光熱費は通常貸主負担であり、必要経費として計上できる。例えば玄関、廊下、階段などの照明代や、エレベーターにかかる電気代、エントランスに水道設置などがこれにあたる。

電気代・水道代ともに、月数千円〜数万円が相場だ。

10.その他

パソコン

これまで見てきたものの他に、消耗品費、通信費、交通費、交際費、帳簿作成費、立ち退き料、弁護士・税理士報酬なども必要経費として計上できる。このうち、消耗品費、通信費、交通費、交際費について説明する。

(1)消耗品費はパソコン代やプリンター代など含む

確定申告のために購入したパソコン代や、書類の印刷のために購入したプリンター代・インク代は消耗品費として計上できる。購入価格が一定以上の場合は減価償却費になることがある。

(2)交通費は電車代・ガソリン代・駐車場台などを含む

物件の管理状況確認や退去時の立ち会い、管理会社との打ち合わせ等のための電車交通費や車のガソリン代・駐車場代・高速道路代などは経費計上できる。

(3)通信費は電話代・インターネット使用料を含む

管理会社や入居者と連絡をする際の通話料、インターネット使用料は通信費として経費精算できる。ただし、特にインターネットは他の用途でも使用するため、通常は経費の対象になるのは3〜4割だ。

(4)交際費は打ち合わせの飲食費を含む

管理会社や弁護士・税理士、不動産オーナー仲間との打ち合わせのための飲食費は交際費として経費計上できる。

まとめ

このように、必要経費として計上できる項目は多岐にわたる。金額が大きいものも小さいものもあるが、正確に把握しもれなく整理して確定申告すれば、大きな節税効果を生む。実は経費にできるものが漏れていたとしても、税務署は申請しなければ親切に教えてくれるようなことは決してない。大切な土地を活用して得た利益を少しでも多く手元に残せるよう、よく理解しておいてほしい。

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