アパート経営

利回りの意味と計算方法はアパート・マンション経営の必須知識

利回りの推移

土地活用をする際に誰もが利回りに注目するだろう。せっかくであればできるだけ大きな利益を得たいと思うのは当然だ。だが、利回りには2種類あることをご存知だろうか?また、その数値が何を表しているのか、正確に理解しているだろうか?

この記事では、お持ちの土地でアパート経営・マンション経営を行う場合を例とし、土地活用において極めて重要な利回りを正確に理解するための知識をまとめる。

1.利回りとは何か

利回りグラフ

まずは、利回りとは何かを理解しよう。利回りは【支払った建築費に対し、1年間で回収できる割合】を表す数値だ。例をあげて見てみよう。

<例1>建築費1億円、家賃7万円、部屋が15戸のアパート
1年間の家賃収入は1260万円(7万円×15戸×12ヶ月)。これは建築費1億円のうち12.6%にあたるので、利回りは12.6%。

また、利回りからは建築費を何年で回収できるのかがわかる。例1で言えば、1年間で建築費の12.6%を回収できるので、8年目に建築費の全額を回収できることになる(100÷12.6)。

さて、この計算を見て以下のような疑問を感じた方もいるだろう。

「管理会社への支払いや税金などの費用は?」
「空室が出る可能性は考えなくていいの?」

そのとおりだ。例1は、説明を簡単にするために必要経費を一切無視している。このような必要経費を無視した利回りを表面利回りと言い、経費を加味した利回りを実質利回りという。なお、利回りは満室時の家賃を想定して計算するので、空室率は考慮していない。つまり、実際に賃貸経営が始まると、実質利回りよりもさらに収益率は下がるのだ。

2.2種類の利回りとその違い

比較

前述のとおり、利回りには表面利回りと実質利回りの2種類がある。表面利回りは収入ベース、実質利回りは利益ベース(収入−支出)だと考えるとわかりやすい。

(1)表面利回りは収益性を大まかに捉えるのに便利

通常、不動産屋のHPやチラシ、提案資料などに書かれているのは表面利回りだ。費用を加味せず収入ベースで考えるので、別名「粗利回り」とも言われる。計算式は以下だ。

【表面利回り=年間家賃収入÷建築費】

表面利回りは計算がシンプルなので、大まかな収益性を把握するのに役立つ。だが経費を一切考慮していないので、実際の利回りは必ず表面利回りを下回る。かつ、あくまでも新築当初の単年度の指標でしかないので、10年、20年と経過すればさらにギャップが大きくなる。表面利回りを真に受けてしまうことがないよう、注意してほしい。

(2)実質利回りは経費を加味したより実践的な数値

実質利回りは必要経費を加味した、利益ベースの利回りだ。計算式は以下である。

【実質利回り=(年間家賃収入−年間必要経費)÷建築費】

必要経費に含まれるのは、固定資産税・都市計画税・火災保険料・管理委託費・修繕積立金・不動産仲介手数料などだ。表面利回りと比べ、より現実的な数値になる。

冒頭に上げた例1(建築費1億円、家賃7万円の部屋が15戸のアパート)において、年間必要経費が200万円であったとすると、実質利回りは10.6%((1260万円−200万円)÷1億円)になる。表面利回り12.6%よりも下がっていることがわかるだろう。

必要経費の項目についてよりイメージをつけやすくするため、概算値を以下にまとめる。

  • 固定資産税:[土地]固定資産税評価額 × 1.4 ÷ 6、[建物]固定資産税評価額 × 1.4
    ※建物の固定資産税は、新築後3年間は1/2
  • 都市計画税:固定資産税評価額 × 0.3 ÷ 3、[建物]固定資産税評価額 × 0.3
  • 火災保険料:物件規模や補償内容・期間によるので一概に言えない
  • 管理委託費:家賃の5%程度
  • 修繕積立金:家賃の5%程度
  • 不動産仲介手数料:家賃の1〜2ヶ月分

税金についての記事:土地の固定資産税・都市計画税をアパート・マンション経営で軽減!

必要経費についての記事:アパート・マンション経営の必要経費10種類を知って節税しよう

3.より現実を想定した収支計算

分析

利回りは満室時を想定した数値だ。参考値としてはよいのだが、アパート経営・マンション経営を行ううえで満室状態がずっと続くことなどありえない。空室が出ることを考慮する必要がある。

また、年月を重ねれば物件は老朽化して修繕費や管理コストが高くなるし、家賃を下げざるを得なくなるおそれもある。長期的な収支計画を立てるうえでは、これらの想定をしておくべきだ。計算どおりにいくことなどありえないが、将来的に起こりうるリスクを先に知っておいたほうが安心だ。

(1)空室率を考慮した収支計算

空室を含めた収支を計算するため、まずは空室率の計算式を確認しよう。

【空室率=(空室戸数×平均空室月数)÷(戸数×12ヶ月)】

例1で、3戸が平均5ヶ月間空室であったとすると、空室率は【(3戸×5ヶ月)÷(15戸×12ヶ月)=8.3%】だ。

この空室を含めた利回りは【実質利回り×(100−空室率)】となるので、例1にあてはめると【10.6%×(100-8.3)=9.7%】である。表面利回り12.6%、実質利回り10.6%と比べるとその差が明らかだ。

(2)家賃下落を考慮した収支計算

周りに新しいアパート・マンションが建って競争が激しくなったり、物件が老朽化したりと、家賃を下げざるをえなくなるケースは多々ある。

例1(建築費1億円、家賃7万円の部屋が15戸のアパート)において、7万円の家賃を6.5万円、6万円に値下げした場合の表面利回りと実質利回りを見てみる。実質利回りの年間必要経費は200万円とする。

  • 家賃7.0万円:表面利回り12.6%、実質利回り10.6%
  • 家賃6.5万円:表面利回り11.7%、実質利回り9.7%
  • 家賃6.0万円:表面利回り10.8%、実質利回り8.8%

この例では、家賃を5千円下げると実質利回りが1%近く下がった。利回りが下がれば投資回収までにかかる期間も伸びるので、家賃下落を事前に想定しておかないと10年後・20年後に慌てることになる。

4.利回りと投資回収にかかる期間の関係

空室発生や家賃下落による利回りの変化を見てきたが、利回りが変化すると投資回収にかかる期間はどのくらい変化するのだろうか?利回りと投資回収期間の関係を表にまとめるので、参考にしてほしい。

利回り 投資回収期間
6% 17年目(16年8ヶ月)
7% 15年目(14年4ヶ月)
8% 13年目(12年6ヶ月)
9% 12年目(11年2ヶ月)
10% 10年目(10年0ヶ月)
11% 10年目(9年2ヶ月)
12% 9年目(8年4ヶ月)
13% 8年目(7年9ヶ月)
14% 8年目(7年2ヶ月)
15% 7年目(6年8ヶ月)

5.利回りに影響を与える要素とその対策

関連要素

利回りの計算方法や変化について見てきたが、利回りの高い物件を建て、その利回りを維持するにはどうすればいいのかを説明する。

ただし、読んでいただけくと分かるのだが、30年〜40年という長期間を見据えたうえで最も利回りがよい方法というのは一概には決まらない。様々な要素が関連しているので、一方を優先すれば他方が劣ってしまうことが見られる。答えはないので、あなたの考え方に最もマッチした方法を選んでほしい。

(1)構造によって建築費と家賃設定が変わる

建築費が小さいほど利回りは高くなる。建築費を大きく左右するのは構造であり、【木造<軽量鉄骨造<重量鉄骨造<鉄筋コンクリート(RC)造<鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造】と、丈夫で重い素材を使うほうが建築費が高くなる。利回りの計算式は【表面利回り=年間家賃収入÷建築費】なので、建築費が小さくなれば利回りは大きくなる。

だが、建築費が高い構造のほうが家賃を高く設定できる。立派なマンションの大半はRCまたはSRCだ。そのため建築費が小さい構造のほうがよいとは言えない。

建築費についての記事:アパート・マンション経営における建築費と資金について

(2)耐久性の高い構造のほうが老朽化による家賃下落や修繕費を抑えられる

丈夫で重い構造のほうが耐久性が高く、老朽化や修繕費を抑えることができる。例えば木造は建築費を抑えられるが、そのぶん耐久性は低く、築年数がかさめば家賃を下げることになりやすい。かつ修繕費もかかる。一方でRC造やSRC造は建築費が高いぶん耐久性が高く、築年数が経過してもしっかりしているために家賃下落が抑えられる。もちろん修繕頻度も少ない。直近の利回りは木造が最も優秀だが、賃貸経営を行う数十年間の収益を考えたらRC造やSRC造のほうが優秀であることも多い。

通常、30年もすればRC造・SRC造以外は建て替えが必要になる。

建築構造についての記事:アパート・マンション経営における構造(木造・鉄骨・RC・SRC)の選び方

(3)空室率は物件のデザインや間取り、管理体制で減らすことができる

空室率を下げるには、入居者を獲得する魅力を高め、管理体制を整えることが重要だ。

入居者確保には、物件のデザインや間取りが影響する。例えば外観がおしゃれであったり、女性専用などターゲットを絞って特徴的な建物にしたりすると他の物件と差をつけられる。また、テラスハウスやメゾネットといった間取りも人気だ。管理体制についても、入居者が安心して生活できる居住環境を整えてくれる管理会社を選ぶことで退去率を下げられる。

人気を集められるデザインや間取りにすると、空室率が下がるだけでなく家賃設定も高めにできる。

空室対策についての記事:アパート・マンションの空室率を下げるために知っておきたい空室対策

テラスハウスについての記事:テラスハウスの賃貸経営を行うメリットとデメリットとは

(4)間取りを狭くして戸数を増やすほうが利回りは上がる

一般的に、広い部屋を少なめに作るよりも、狭い部屋を数多く作るほうが利回りは上がる。これは家賃相場が部屋の面積に比例しないためだ。部屋の広さを2倍にしても、家賃は2倍にはならない。ただし入居者にとっての魅力は考慮していないので、狭いことで人気がなくならないよう注意が必要だ。また、部屋を増やせば壁の数が増えるので敷地面積の有効活用になるかどうかも気をつけよう。

まとめ

利回りの知識は収入や返済計画を考えるうえで絶対に外せない。だが正確に把握している人はそれほど多くないので、業者から浅い説明を聞いただけで賃貸経営を開始してしまう人がたくさんいる。ここに書かれている内容を理解しておけば、業者に一歩踏み込んだ質問や収支シミュレーションの依頼をすることができるので、他のオーナーに差をつけ、長期的な安定収入を得ることができるだろう。

利回りを検討するには、複数業者から提案を受けて比較する必要がある。当サービスでは優良企業を無料でご紹介しているので、ご希望される場合はトップページの土地活用無料診断を利用してほしい。

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