定期借地権

定期借地権とはローリスクローリターンの「貸す」土地活用

土地と家

土地活用といえば、所有している土地に建物を建てて賃貸経営するのがもっともポピュラーである。だが、自分で建物を建てて経営を行うには、借り入れをする必要があり、長期間にわたってリスクを負った経営をしなければならない。一方で売却という方法もあるが、その土地を完全に手放すことになってしまう。

自分で建てるのでもなく、売却するのでもない、「貸す」という土地活用があるのをご存知だろうか?定期借地権を利用した土地活用だ。

定期借地権とは、あらかじめ設定した期間しか存続しない借地権(借り主の権利)のことだ。定期借地契約を結ぶと、契約期間満了とともに借地契約が解消され、土地は確実に貸し主に返還される。決まった期間のみ土地を貸すことができ、借り主から継続的に地代を得ることができる。

契約満了したら貸した土地が戻ってくるというのは、一見すると当たり前のように聞こえるかもしれない。だが、過去の借地法では、借地契約の期間は20年~60年と長く、契約が満了しても借り主に立ち退きを要求することができずに契約が自動更新されていた。地主にとっては非常に不利な契約であり、一度土地を貸してしまうと、半永久的に使えなくなってしまっていたのだ。これを解消したのが定期借地権である。

この記事では、定期借地権を利用した土地活用について説明する。

1.定期借地権を利用した土地活用のメリットとデメリット

分譲マンション

定期借地権を利用した土地活用は、期限つきで土地を貸し出し、貸したことの対価としての地代収入を得る、いわゆるローリスクローリターンの土地活用である。

定期借地権のメリットとデメリットは以下だ。

(1)定期借地権のメリット

  • 契約期間が終了したら土地は必ず戻ってくる
  • 借金を負うことなく土地活用ができる
  • 建築費や修繕費の負担や空室リスクは一切ない
  • 経営をする必要がない
  • 契約期間中は継続して安定収入が得られる
  • 売却せずとも一時金(保証金)が得られる
  • 相続税・固定資産税の節税になる

(2)定期借地権のデメリット

  • 契約期間が満了するまでは土地を返却してもらうことはできない
  • 自らの資金で建物を建てて賃貸経営を行うよりも収益性は大幅に下がる
  • 販売用の物件(戸建、分譲マンション等)の場合、通常の販売物件とは販売条件が異なるので、一部の人には敬遠されるおそれがある(後述)

 

定期借地契約と同様に初期費用のかからない土地活用として「等価交換方式」もある。業者負担で建物を建ててもらい、土地の一部と建物の一部を交換する方法だ。興味があれば以下の記事を読んでほしい。

等価交換方式についての記事:等価交換方式を利用すれば建築費を負担せずに土地活用ができる

2.3種類の定期借地権

定期借地権には、その契約期間や用途等によって、3つの種類がある。表にまとめると以下だ。いずれも契約更新はなく、期間満了とともに契約が終了する。

  一般定期借地権 建物譲渡特約付借地権 事業用定期借地権
存続期間 50年以上 30年以上 10年以上50年未満
契約更新 なし なし なし
建物の用途 限定しない 限定しない 住宅を除く事業用物件
契約満了後の
建物の扱い
借地人は更地にして
土地を返還
借地人は建物付きで
土地を返還
借地人は更地にして
土地を返還

3種類の定期借地権について、それぞれ見ていこう。

(1)一般定期借地権は長期間にわたり安定収入が得られる

一般定期借地権は存続期間が50年以上の、最も長い借地権だ。長期間にわたり使う予定がない土地を持っている人に向いている。建物の用途が限定されていないことと存続期間の長さから、賃貸マンション・店舗・オフィス等よりも戸建マイホーム・分譲マンション等を建てるケースが多い。安定収入を継続的に得ることができる。契約満了後はディベロッパー(開発業者)が更地にして土地を返還してくれる。

(2)建物譲渡特約付借地権は建物を買い取ることで借地権が終了する

建物譲渡特約付借地権は、その名のとおり建物を譲渡する特約がついた借地権だ。存続期間は30年以上であり、期間満了後、地主が借り主であるディベロッパーから建物を買い取ることで借地権が消失する。一般定期借地権同様に建物の用途は限定されていないので、アパートやマンション、店舗、オフィス等として利用する建物を建てて賃貸経営を行い、期間満了後には地主がディベロッパーから建物を買い取って賃貸経営を継続していく。この買取は必須条件なので、土地所有者は建物を必ず買い取らなければならない。

(3)事業用定期借地権は存続期間を最も短期間に設定できる

事業用定期借地権は、建物の用途が事業用に限定された定期借地権だ。存続期間は10年以上50年未満だが、10年にするケースが多く、当面は使用予定がない土地や、将来的に子どもや孫の住まいを建てたい土地を短期間だけ貸すといった事例が見られる。コンビニやファミリーレストラン、工場などを建てることになるので、交通量が多く騒音が気になる土地や、駅から離れた土地などは事業用定期借地権を選択するのがよい。

3.購入者から見た定期借地権付き物件の魅力と懸念

マイホーム

定期借地契約をディベロッパーと結ぶと、ディベロッパーが戸建や分譲マンションを建設し、個人客に販売する。その際、個人客からは定期借地権物件はどのように見えるのだろうか。土地を貸したその先にいる購入者の視点を知っておくことは土地オーナーとしてとても重要なことだ。

購入者にとって、定期借地権付き物件が通常物件と異なる点について説明する。

(1)費用面での定期借地権付き物件の違い

費用面では以下のような違いがある。

購入時に支払う一時金

  • 保証金:土地を借りるにあたって最初に支払う費用であり、賃貸契約における敷金のような位置づけ。土地を返すタイミングでに返還される。
  • 権利金:長期間にわたり土地を借りることへの対価として支払う費用。
  • 解体に備えた基金:返却時にかかる解体費用の頭金にあたる。不要なことも多い。

購入後に継続的に支払う費用

  • 地代:土地の賃料であり、毎月支払う。地代は2~3年ごとに消費者物価指数や固定資産税により変動する。
  • 解体積立金:返却時にかかる解体費用の積立金。
  • 固定資産税・都市計画税:土地は所有していないので納税不要であり、建物に対してのみ納税義務が発生する。建物分の税金は、建物の評価額下落が通常物件より早いため、安くなる傾向にある。

(2)購入者視点での定期借地権付き物件のメリット

価格が安い

通常の物件と比較すると30%〜40%ほど安く購入することができる。購入時の一時金を含めても、少ない費用で物件を手に入れることができる。

賃貸に出すときに利回りがよくなる

定期借地権付き物件でも貸し出すときの賃料は変わらない。購入価格が安いぶん、貸し出す際に通常購入の物件よりも利回りがよくなる。

(3)購入者視点での定期借地権付き物件のデメリット

住宅ローンの審査が通りづらい

50年以上という長期間の借地権があるとはいえ、土地は所有しておらず、最終的には更地にして返却する。そのため物件の担保価値は低く見積もられてしまい、住宅ローンの審査は通りづらくなる。

資産価値の減少が早く、売却に不利

定期借地権の残存期間が少なくなるにつれて資産価値も減少していく。そのため売却時は同じ水準の通常物件と比較すると安く売らざるを得なくなる。

まとめ

見てきたように定期借地権は売却のように権利を手放すことも、賃貸経営のように経営の手間やリスクをとることもせずに継続的な安定収入が得られる土地活用だ。しばらく他の利用ができなくなるし、収益性も落ちるが、ローリスクローリターンを求める土地所有者にとってはとても魅力的だ。

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